「鼻で笑われた」プレリュードの4WSに再び脚光、なぜ? 訴求における問題点とは?

公開 : 2017.06.11 17:10  更新 : 2021.01.30 21:27

4WS、再び脚光を浴びる理由

四輪操舵の考え方そのものは1920年代から存在している。量産車へは1980年代にマツダ三菱日産、そしてホンダがそれぞれ独自のシステムを採用するまで普及しなかったが、決して斬新なものではない。

アクティブ制御のそれは、ステアリング入力へ四輪が即座に反応する。低速では前後逆位相に転舵してステアリングのレスポンス向上と回転半径の縮小を図り、高速域では同位相転舵でスタビリティを高めるのだ。

これにより、重く大きなサルーンでさえ、コンパクトなマツダ・ロードスターのように小気味よく素早い身のこなしが可能になる。

プレリュードに話を戻すと、ステアリングはロックトゥロックが3回転を超える。回転半径は大きくなりがちで、アシストなしではもう少し軽ければと恨めしく思うことになる。

パワーステアリングならばもちろんそれを改善できるし、アルファ・ロメオフォードのスポーティモデルは2回転近くに設定して、小気味よいハンドリングを生むが、回転半径の問題は妥協しがちだ。

4WSはクイックなステアリングの利点を全て残しつつ、回転半径をかなり縮小する。

近年、この技術が再び脚光を浴びているのは、なにも驚くようなことではない。

昨年のベスト・ドライバーズカー選手権を制した911Rは「リアアクスルステア」と呼ばれるシステムを備えるが、これも要は4WSだ。

911の他バリエーションや918にも装備されるが、どれもうれしくなるようなステアリングで、いかなる速度域でどのような入力をしても素早く確実に作動してくれる。

同様のシステムは、フェラーリGTC4ルッソやBMWの5シリーズと7シリーズ、アウディQ7などが採用。ランボルギーニインフィニティ、それらより安価なルノーメガーヌにさえ装備例がある。

それら全てが、ホンダの先例ほどシンプルなシステムだというわけではない。


関連テーマ

おすすめ記事

 

ホンダ プレリュードの人気画像