空冷と水冷、あなたはどっち? ポルシェ993と996を比較試乗(後編)

公開 : 2017.08.15 16:40

996、これから価値は高まるのか?

50周年記念の記事を掲載したときには、およそ£10,000(130万円)で996を見つけることができたが、現在、この程度の金額では、走行距離が10万マイル以上で、ティプトロニックを搭載したモデルしか購入できない。

予算を£16,000(208万円)から£7,000(221万円)に増額できるなら、走行距離もほどほどでオーナー履歴のはっきりした、モデルチェンジ後の3.6ℓマニュアルが手に入る、といった具合である。

程度が同じくらいの993を手に入れるなら、2倍の金額が必要になるのだから、996は、ロード&トラック誌がかつて書いたように、今でも「今世紀最大のお買い得な911」といえるだろう。

これまでの動向を考えれば、じわじわと価値が高まるのも十分にあり得るのではないだろうか。

伝統的ポルシェファンがどう言おうが、996はどの部分をとっても911であり、たとえ993の隣を走ったとしても、動的性能に不満を感じることはない。

996はまちがいなくもっとも長足の進化を遂げた911だ。少なくとも993とこのクルマの間には別のモデルがもう1世代あったとしても不思議ではないくらいに大きな違いがある。

発売当時、996は、それまでポルシェを購入候補にしなかったような層を惹きつけ、993より遙かに沢山販売された。

ティフ・ニーデルが言うように、「これ以前のポルシェに納得したことはなく、これ以降のポルシェにこれほど惚れ込んだこともない」と多くの人に感じさせたことが、996の何よりの存在意義ではないだろうか。

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