アルファ・ロメオ・ステルヴィオの(現時点で)最上級仕様 英国試乗

公開 : 2017.09.27 11:40  更新 : 2017.09.27 13:25

走りは満足 質感やフィールは及第点レベル

0-100km/h加速は5.7秒という、なかなかの数値がアナウンスされているが、乗った感じもそれに偽りなしと思える。そのパフォーマンスを駆使しつつステアリングを切ると、コーナリングのスキルもなかなかのものだと気付かされる。

ロールはよく抑えが利いていて、グリップは四輪とも強力。コーナリング中の挙動も実に甘美だが、これには50:50を謳う前後重量配分と、アルミ部材の多用による1660kgの車輛重量が寄与しているのだろう。

このクラスにしては非常にクイックなステアリングは、非力なエンジンを搭載した仕様よりもこちらにマッチしている印象。しかし、フィールは限定的で、重さは決してヘビーではないが、ナチュラルさやプログレッシブさは感じられない。

ジュリアから多くを受け継いだサスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。ダンパーやスプリングはジュリアから変更されているが、セダン並みの乗り心地を生み出すことはできなかった。決して不快なわけではないが、スムーズに見える路面でもややせわしない。波打った路面ともなればそれにかなり反応するので、時にスピードを落としてしまったほどだ。ブレーキは強力だが、電子制御アクチュエーターを用いており、ペダルのフィールには慣れが必要だ。

パッケージングは従来通り、キャビンもラゲッジスペースも広い。マテリアルはまあなんとかプレミアム物件のそれといえる程度で、それ以上の質感はない。ドライビングポジションと操作系のレイアウトは上々。敢えて注文を付けるなら、不足気味なリアの視認性や、やや頭を前に押し出すヘッドレスト、実用性は十分だが独特な操作性のインフォテインメント・システムなどは改善を望みたいところだ。

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