80年代ヒーロー対決 M3スポーツ・エボ vs シエラRSコスワースvs 190E 2.5-16(1)

公開 : 2017.11.03 11:40  更新 : 2021.01.30 21:04

電子テクノロジーの進化はクルマの運動性能や安全性、環境性能を劇的に向上させてきました。いっぽう進化の過程において、ドライビングの愉しさがスポイルされてきたのではないかという疑いもあります。電子デバイスに邪魔されないスポーツドライビングを堪能しながらテクノロジーの功罪を検証します。

もくじ

はじめに
クルマはつまらなくなったのだろうか?

BMW M3スポーツ・エボリューション編

世界が送った「熱視線」 いまは?
軽やかに高回転域へ トルク不足払拭

フォード・シエラRSコスワース編(10月4日公開予定)

シエラRSコスワースは「夢のクルマ」
直線加速で圧倒 ただし重心高のネガも

メルセデス・ベンツ190E 2.5-16編(10月5日公開予定)

190E 歴代最高のエンジニアリング
スピード/スリル バランスの妙

おわりに

3台の中でどれを選ぶのが得策なのか

はじめに

クルマはつまらなくなったのだろうか?

「ライバルが手強いほど磨かれていく」という、ものづくりにおける黄金の法則がある。そしてそれはクルマに関しても当てはまる……はずだったが、最近はそうとも限らないようだ。

エンスージァストの視点で見ると、ライバルと競い合って生まれたであろうテクノロジーの進化が、実はドライバーの主体性を薄め、純粋に運転という行為から悦びのエッセンスを奪っているという側面もある。

言わんとするところは、AUTOCARの読者諸氏ならお分かりいただけるだろう。

F1スタイルのギアボックスは確かにシューマッハ並みのシフトチェンジを可能にし、ローンチコントロールが装備されていればシグナルダッシュも無敵。スタビリティコントロール・システムは滑りやすい路面でクラッシュして高い修理代を払うリスクを大幅に減らしてくれる。

最近のクルマは速い。とにかく速い。そしてこれからもどんどん速くなり続けるだろう。そのこと自体は否定しない。しかし、本当にその速さを愉しめているひとは、いったいどれくらいいるだろう?

思い出して欲しい、1980年代後半のハイパフォーマンスカーを。電子デバイスなどなくてもちゃんと走れたし、コーナーではドライバーの腕ひとつで、右足とステアリング操作で様々なドリフトを思う存分コントロールできたではないか。

その旧き良き時代、BMWとメルセデス、そして欧州フォードはスポーティなイメージを前面に押し出したコンパクト・サルーンで覇権を争っていた。戦いは一般公道だけでなくサーキットでも繰り広げられた。

当時の切磋琢磨の過程と結末を、われわれは今、実車を通して確認することができる。当時盛り上がっていたグループAカテゴリーのツーリングカー・レースに参戦するために市販された3台のホモロゲーション・モデルは、20年の時を経た今なお光り輝いている。

BMW M3、メルセデス190E 2.5 16、そしてシエラ・コスワース。当時は高額でとても気軽には手を出せなかった栄光のロードレーサーも、今では嬉しいことに手頃な価格に落ち着いている。

ちょっとした思いきりさえあれば、貴方の手がすぐ届くところにあるのだ。

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