AUTOCARの独断と偏見 みごとに期待を裏切られた7台のクルマたち

公開 : 2018.05.03 06:10

BMW M3(E36・1992年)

2代目となるM3は、初代比5割増しのシリンダーを得たエンジンが、よりハイパワーを発揮する。文句なしじゃないか、と思うだろう。ところが、不満は少なくないのだ。

なにより伝説的なE30 M3は、言うなればレースカーの市販バージョンだが、その後継モデルは単なる3シリーズのホットモデルにすぎなかったのである。確かに速さは高まり、サウンドも素晴らしいが、コーナリングの冴えは消えてしまった。

実際、その静かで快適なクルマはM3を名乗るより、330CSiと呼ぶべきだったと個人的には結論づけた。BMWも同様の見解だったのだろう。登場から3年後、E36 M3はマイナーチェンジで問題点をほぼ全て修正し、Mという誇るべきサブブランドの信用を取り戻すに足るクルマへ生まれ変わったのだ。

アンドリュー・フランケル:上級寄稿ライター

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