試乗 三菱ショーグン(パジェロ)・スポーツ 英国で復活 高いオフロード性能

公開 : 2018.07.02 11:20

かつて日本ではチャレンジャーとして呼ばれていたモデル、ショーグン(パジェロ)・スポーツの英国導入が決まりました。7シーターのパッケージに、実用性と快適性、堅牢性を兼ね備えることを目指した、三菱の期待も高いモデルですが、楽観視はできなさそうです。

もくじ

どんなクルマ?
11年ぶりに復活するショーグン・スポーツ
どんな感じ?
大人も座れるサードシート
詰めの甘さが残るオンロード性能
オフロード性能ではライバルより勝る
「買い」か?
メジャーになるには難しい
スペック
三菱ショーグン・スポーツ4のスペック

どんなクルマ?

11年ぶりに復活するショーグン・スポーツ

三菱ショーグン(パジェロ)・スポーツは、三菱自動車のフラッグシップモデルとなる新型SUV。このモデルは、ほかのマーケットではパジェロ・スポーツの名でも知られており、三菱の少し無骨なSUVモデルファミリーのトップに位置することになる。

特徴は7人乗りという実用性と、余裕のある牽引力に、悪路での高い走破性が組み合わされているところ。全長は4785mmで全幅は1815mm、全高は1805mmとなり、ロングホイールベース版のショーグン(パジェロ5ドア)よりもひと回り小さい。旧モデルのショーグン・スポーツに加えて、ショーグンも発売からかなりの年月が経っており、三菱としてはこのユーザーに買い替えを促したい思いもある。2000年から2007年に1万8500台の先代ショーグン・スポーツが販売されているが、まだ1万2000台が現役だと推定しているのだ。

2007年に一度絶たれたショーグン・スポーツだが、ショーグン(パジェロ)よりも高い洗練性と高級感を持たせた4×4という位置づけで、復活を目指している三菱。ただし洗練されたといっても、ショーグン・スポーツの基本骨格は、以前レポートもしている、ピックアップトラックのL200と共有している。比較的シンプルなラダーフレームにボディを乗せた構造は、古いイメージもつきまとうが、高い剛性と耐久性を与えることも可能であり、必ずしも悪いわけではないけれど。

また、この堅牢な設計は、三菱製SUVのオーナーにとっては非常に重要な要素でもある。三菱は、成長する大型SUV試乗も見込んで、英国では年間3000〜3500台の販売を計画しているが、ライバルモデル以上に、ショーグン・スポーツが想定する顧客は特殊かもしれない。約90%ものオーナーが牽引フックを用いると想定しているからだ。最大で3.1tの牽引が可能としているが、この数字は主なライバルモデル、トヨタランドクルーザーを辛うじて上回ってはいる。

搭載される2.4ℓの4気筒ターボディーゼルは、181psと43.7kg-mを発生し、新しい8速ATと組み合される。当面はハイブリッドやEVなどの計画はない。三菱の上層部は、充分な牽引力とオンロードとオフロード性能を持つ、定員7名というクルマには、ディーゼルエンジンが唯一、求められるパワーとトルクを供給できると主張している。

オンロードとオフロード、それぞれの仕上がりをチェックしてみよう。

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