ルート66:忘れられたハイウェイ アキュラNSX試乗記 後編

公開 : 2018.08.05 16:10

果てしなく続く荒野

もう十分旅したような気になってくるが、あいにくマクリーンさえまだだ。インターステート40号線と付きつ離れつをくりかえし、果てしなく走っていく。道端には一軒家やトレーラーの荷台が時折ポツリポツリとあらわれるだけ。
アメリカ人は40%ほどしかパスポートを持っていない、などとあげつらわれることがある(英国人は83%)。

だがここからよその国には、いやアメリカのほかの地域だって、飛行機で長時間飛ばないと行けないのだ。休みをとっても簡単にリゾート地へ行けるわけではないから、RVか四駆、またはピックアップでトレーラーハウスか何かを引っぱっていって、荒野の真ん中で楽しく過ごすのだ。いいじゃないか。わたしもやってみたい。

その荒野も見どころばかりだ。モニュメント・バレーは厳密にはルート66沿いではないが(往復で7時間も道をはずれることになるので、ルート66についての記事にここの写真が載っていたらそれはみんなウソだ)、時間が許すなら行ってみる価値はある。古物屋に飽き飽きしながらルート66を走るよりも断然おもしろい。ここまで来ればグランド・キャニオンにも足をのばせる。みんなそうしてラスベガスへむかうのだ。

そうして西へ行くにつれ、ことさらにルート66を主張するものはなくなってきた。それでも見どころはむしろ多い。ペトリファイド・フォレスト(化石の森国立公園)を貫くように走っていく。よく見れば役目を終えた電柱の列に沿った茂みの中になぜか小さな王冠が見えたが、ここでの主役は樹木だ。

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