AUTOCARロードテスト90周年(6) 最高速度記録更新の歴史 どこまで進化?

公開 : 2018.12.16 17:10

1928年からの90年間で自動車がどれほど速くなったのかを振り返ってみました。当時、勇気と技術なしには成し得なかった速度記録に、いまでは何の不安もなく安楽に到達することができます。このままいけば、自動車のパフォーマンスはどこまで進化するのでしょうか?

もくじ

技術と勇気が必要 格段に速く
エンジンの進化は止まらず
驚くべき進歩 多少の戸惑いも
番外編:速度記録更新でみる未来

技術と勇気が必要 格段に速く

1928年以来、自動車がどれほど速くなったかについては、これまで数多くの表現が行われてきた。その進化のほどをご説明するには、Autocar初のロードテスト車両となったオースチン・セブンの最高速と、現代のオースチンと呼ぶべきモデルとを比較するよりも、まずは1928年には早くも地上における速度記録が333km/hに達していたことをお伝えしたほうがいいだろう。

これは人類が誕生して以降の30万年間で、われわれ人間が到達することのできた地上における最高速度だった。この記録はフロリダのデイトナビーチで、24ℓもの排気量をもつ航空機用エンジンを積んだブルーバードIIIに乗ったマルコム・キャンベルによって達成されているが、彼には未踏の領域へと踏み込む勇気と、それを可能にする技術が必要だった。

だが、2018年の現在、ベントレーのショールームへ行き、この速度記録と同じ最高速度をもつモデルを購入することができるのであれば、だれでも同じ記録を達成することが可能だ。いまや、過剰とも言える性能を備えた豪華絢爛なコンチネンタルGTに乗れば、何の心配もなく1928年にタイヤのついた車両で人類が到達することのできた究極のスピードを体験することができる。

まさに、これこそが90年間でロードカーがどれだけ速くなったかを示すものだろう。常に革新的な技術が生み出されていた時代の成果であり、エンジンやトランスミッション、タイヤやエアロダイナミクス、さらには安全技術の飛躍的な進歩が人類をここまで到達させた。つまり、自動車はいかなる尺度でも格段に速くなっているということだ。

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