初試乗 DS3クロスバック CMPプラットフォーム採用初モデル 純EVに期待

公開 : 2019.04.28 17:55  更新 : 2022.04.23 11:57

必要充分のパフォーマンスと実用性

実用的な面でいうと、車内空間は前席・後席ともに十分な空間があり、ラゲッジスペースや小物入れなどの量もライバルに劣らない内容で、大人4名での移動にもまったく問題は感じられないだろう。ただし、グローブボックスの容量は左ハンドルから右ハンドル仕様に変更したことで、容量が削られているようだ。

1.5ℓのディーゼルターボエンジンは、おそらく3クロスバックのラインナップの中での洗練度は一番ではないだろう。しかし、遮音性が高く気になるエンジンノイズは上手に遮断してくれているから、特に急いでいない限り、うるさく感じる場面はなさそうだ。

パフォーマンスとしては必要にして充分で、0-100km/h加速は11.4秒。フルスロットルでの加速なら、先行車を抜くことはできないとしても、大きく引き離されることもないと思う。そのかわり良好な燃費がトレードオフで得られており、WLTP複合値で22.2km/ℓとなっている。常識的な範囲で走らせたいと思っている限り、DS3クロスバックは快適なクルージングを味わわせてくれる。

DS3のダイナミクス性能は、17インチのアルミホイールを履いているプレステージ・グレードの場合、意外にも楽しめるドライビングを実現しているものの、少しどっちつかずな印象がある。ステアリングは正確ながら中心付近の重み付けに不自然さがあり、コミュニケーション量も不足気味。反面サスペンションの設定は、このセグメントの中では硬めの設定が与えられている。

コーナーを速いペースで走らせれば僅かにボディーロールが発生するが、許容範囲。それよりも、車内へ伝わる細かな荒れた路面の質感やアスファルトの剥がれた箇所の細かな振動は、指摘しておくべき点かもしれない。

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