フォルクスワーゲンR部門を支える男 ヨースト・カピト

公開 : 2019.05.04 21:10

フォルクスワーゲンのパフォーマンスカーを担当するR部門を統括するヨースト・カピトに話を聞きました。彼は多くの自動メーカーを渡り歩き、数々の名車に関わってきました。60歳になる彼のキャリアを振り返ってみましょう。

もくじ

BMW Mでキャリアをスタート
964RSやフォーカスRSを担当
WRCやF1でも活躍
フォルクスワーゲン「R」に復帰

BMW Mでキャリアをスタート

自動車メーカーの幹部の中には、生涯にわたって一社で働き続けるひともいる。一方で、自動車業界を渡り歩いたひとほど興味深い話を持っているものだ。

現在フォルクスワーゲンのパフォーマンス部門であるR GmbHを率いるヨースト・カピトほど濃いキャリアを持つひとはそうそういない。60歳になる今も若々しい彼はフォルクスワーゲンでそのキャリアを終えるつもりでいるようだが、波乱万丈の人生を楽しんでいる。

彼のキャリアは冒険の連続であった。10代のカピトは、BMWのエンジニアとして働きながらバイクで耐久レースに出場していた。彼の父はウニモグでパリ・ダカール・ラリーに出場し、1985年にはトラッククラスで優勝を果たした。「わたしはチームワークについて多くのことを学びました。しかし、1年間の休暇を取り戻ってくると、それは完全に打ち砕かれ、その後の1年間は休みなしの生活が続きました」

その後彼はBMW Mで伝説のエンジン設計者であるポール・ロッシュの下で働いた。彼の初めてのプロジェクトはE30型M3用の4気筒エンジンであった。カピトはインテークとエグゾースト・マニフォールドを担当したという。そして彼はすぐにキャリアを積み重ね、ロッシュから「カムシャフトのポール」という意味のニックネームを与えられた。

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