過去と未来を繋ぐ場所 ビスター・モーション 自動車世界の未来を体現?

公開 : 2019.05.19 16:50  更新 : 2020.09.21 21:34

建設はこれから ルーツへの帰還

1920年代当時、全部で6棟の格納庫建設が計画されていたが、実際に建てられたのは4棟に留まっており、ゲーガンは同じ建築様式で残り2棟の格納庫を増設したうえで、そのうちの1棟を344の客室を備えたホテルにする予定だ。

格納庫のエプロンから反時計回りに周回路を辿ると、ヒストリックカーとFASTの研究拠点となる建物の一群が目に入るとともに、それに続いて、宿泊施設を備えたガレージへと転用予定の、敷地境界にある湖畔に立つ耐爆性能を備えたかつての武器庫が並んでいるのが見えてくる。

全長6.4kmの周回路をさらに進むと、地図上ではビスター・リザーブと表示されている0.4平方キロメートルの公園へと達し、そこを越えると、オフロードコース用スペースと、新たに建設されたデモ走行用コースに面した新製品発表会用の体験型施設へと続いてゆく。

その多くがこれからの建設となるが、設計自体はほとんど完了しており、あとは着工を待つだけの状態だという。設計承認は今年末を予定しているものの、新たな宅地化を防いだことと、大型イベントを開催した実績によって、承認作業もスムーズに進むだろうとゲーガンは話す。

ビスターでもっとも重要だとゲーガンが言うFASTは、当初英国空軍が掲げていた目的と奇妙な一致を見せる。

「1926年にここがオープンしたとき、その目的は英国の主要なテクニカルセンターになるというものでした」と彼は説明する。「蒸気機関に始まり、ガソリン車を発明し、そして空へと飛び立ったのです」

「ビスターの歴史が主要なR&D拠点として始まったことを考えれば、そのルーツに戻るのは当然ではないでしょうか?」

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