試乗 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スプリント ハンドメイドの不完全さもそのままに

公開 : 2019.06.04 20:10  更新 : 2021.02.02 12:51

アルファ・ロメオの虜にしたジュリア・スプリントGT

1963年にシャシーナンバー00024は、ストックホルム在住のアルフィスタ、ボー・ダールストロムが買い取る。彼は複数台のアルファ・ロメオを所有していたようだが、この00024は北欧の冬の雪道で走らせて、ぶつけてしまったらしい。それほど大きな損傷はなかったようだが、ボディの修復に合わせて異なるブルーで再塗装され、ボディの装飾トリムも変更されている。

それから長い時間をかけて、この00024は様々なアップグレードを受け、後期仕様に変更をされていった。1980年ごろまでの間にエンジンも載せ変えられ、フロアから伸びるマニュアル・シフトノブはコラムシフトに変更されていた。そんなジュリエッタ・スプリントを、いくつかのレストア車両をすでに抱えていたグレゴリーが偶然手に入れることになる。


この、アルフィスタから一目置かれるエンジニア、グレゴリーがアルファ・ロメオの虜になったのは1971年。1964年式のアルファ・ロメオ・ジュリア・スプリントGTを手に入れた時からだ。「私が通勤用の実用的なクルマを個人売買で探していたときに、たまたま見つけたのがスプリントGTでした。手に入れた後、台所でエンジンを組み直しました。他の多くのアルファ・ロメオと同様に、このクルマもメカニカル的にはとても素晴らしかったのですが、ボディの傷みはひどいものでした」


「その後、わたしの友人のニック・サベージが初期のジュリエッタを譲ってくれて、それ以来、アルファ・ロメオに夢中です。わたしにとっては、ジウジアーロがデザインした、段付きボンネットの105シリーズより良いクルマだと思います。程々のスピードで楽しむには不満のないグリップ力があり、パッケージングも完璧だと思います」

「エンジンも素晴らしいし、ブレーキも良い。ステアリングフィールも優れていて、何よりボディが美しい。排気量はたったの1290ccですが、160km/h以上までクルマを引っ張れますし、130km/hくらいの巡航でも問題ありません」 と話すグレゴリー。そのほとばしる情熱から、オーナーズクラブの情報誌の編集を手がけるだけでなく、オーナーズクラブの会長に選出されたことが、ハンドメイド・スプリントが舞い込んでくるきっかけとなった。

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