英国におけるGT-R「ゴジラ」 ハコスカ+R32スカイライン 50周年比較試乗 前編

公開 : 2019.08.03 07:50  更新 : 2020.12.08 10:40

技術大国のピークだった時代を映すR32 GT-R

ハンドリングは活発で評価できるものでも、ブレーキは致命的にプアだ。シングルピストンのキャリパーが掴むのはフロントのディスクのみ。リアはドラムブレーキで、しかもマスターシリンダーは小さく、押し出されるブレーキフルード量も限られている。カーブのだいぶ手前から減速し、コーナリングの早い段階からスロットルを開けていくスタイルが、初代GT-Rを楽しむ方法なようだ。

GT-Rとしては2代目に当たるKPGC110型が製造されたのは、オイルショックが襲う1973年初めの3ヶ月間のみ。その後もスカイラインの高性能版はリリースされていたが、GT-Rを名乗ることはなかった。しかし1989年、満を持して3代目となるR32スカイラインGT-Rが登場すると、ハイテク満載のマシンに市場は驚きを隠せなかった。

エクステリアデザインは美しいというよりも獰猛という表現が適切。ジェット戦闘機のアフターバーナーのように光るテールライトと、アニメ「ガンダム」に登場するロボットのようなスクエアなスタイリング。マッスルカーのような雰囲気さえ漂わせ、日本という国が技術大国のピークだった時代を映しているようにも見える。

エンジンは1969年の伝統を受け継ぐ直列6気筒。しかし2基のパラレル・ターボを搭載している。驚くことに1989年の同時期に、日産はV型6気筒ツインターボを搭載したフェアレディZ300ZXもリリースしているほか、電子制御4輪駆動システム「アテーサE-TS」と後輪操舵システム「スーパーHICAS(ハイキャス)」という技術も発表された。日産の黄金期状態だったといえる。

R32スカイラインの続きは、後編にて。

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