7月の「軽」販売、前年割れの要因は? 「2019年7月に売れた日本車」

公開 : 2019.08.21 05:50

7月の市場動向を分析

7月の市場動向について業界団体の関係者は、「7月期は新型車や特別仕様車を精力的に発売したブランドと、経営体制および生産体制の立て直しなどで新車の販売が思うように進まなかったブランドとの差が明確に表れた。結果的には前者が上回って、全体としては前年実績超えを成し遂げる。営業稼働日が前年より1日多かったことも影響しているようだ。登録車は新型車、とくに普通車の販売が好調で、2か月ぶりのプラスを記録。一方で軽自動車は、同市場で高いシェアを占めるスズキが大規模リコールの影響でマイナスに落ち込んだこともあり、2か月連続での前年実績割れとなった」と解説する。

今後の展開については、「受注状況としては新型車を中心に堅調で、また8月以降も販売台数を上向かせそうな新型車や特別仕様車が多数リリースされる予定なので、これらがどれくらいセールスを伸ばすかがキーポイントになる。一方、10月に実施予定の消費税増税に伴う駆け込み需要が、現時点では明確に発生していないのは気になるところ。販売の現場からは、“駆け込み需要は大きく起きないのではないか” という声も聞かれる」と分析。

「スズキ・アルト」
「スズキ・アルト

「今回は駆け込み需要が寸前になって起きるのか、または政府の増税対策の影響などで駆け込み需要が限定的になるのか、そして消費税アップ後の販売の落ち込みはどれくらいのレベルになるのか--予断を許さないところだ。悪い数字が表面化し始めた最近の景況感、不安定さを増す貿易環境なども懸念材料」と指摘した。

ホンダNボックス 23か月連続トップ

7月の乗用車の車名別ランキングは、人気定番モデルの好調ぶりが目立った。首位に立ったのは一昨年9月に全面改良を行ったホンダNボックスで、全モデルの中で唯一2万台オーバーの2万4049台(前年同月比22.3%増)、しかも第2位以下とは9200台以上の差をつけて23か月連続でのトップにつく。

続く第2位には、3月に新型に切り替わった日産デイズが同26.5%増の1万4801台を達成して前月と同様にランクイン。また、第3位には7月にフルモデルチェンジしたダイハツタントが同35.6%増の1万4520台を成し遂げて1つ順位を上げた。この結果、11か月連続でトップ3を軽自動車が占有する。

「ホンダNボックス」
「ホンダNボックス」

続く第4位には、5月にPHVモデルの一部改良を行い、登録車の首位に立ったトヨタプリウスが同34.1%増(1万3137台)でランクイン。第5位には、同7.1%増(1万2688台)ながら2ランクダウンとなったスズキ・スペーシアが入った。また、登録車で第2位の日産ノートは同1.9%減の1万1044台で前月と同順位の第6位に、登録車で第3位のトヨタ・シエンタは同56.5%増(1万739台)で7ランクアップの第7位に、4月にキャンバスのリミテッド・シリーズ特別仕様車を設定したダイハツ・ムーヴは同1.5%増の1万346台で1ランクダウンの第8位に位置する。

トップ10を一覧すると、登録車が5車種で、残り5車種が軽自動車。この比率になるのは、2か月連続である。

注目のニューモデルの販売成績を見ていこう。

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