【意外?】もとは軍事/航空技術 クルマの世界に影響を与えた発明 9選

公開 : 2020.02.15 05:50

GPSナビゲーション

位置がわからなくなり、燃料を使い果たし、墜落するというパターンは、第二次世界大戦の数年後まで、非常に多かった。

そこで、1950年代に米国政府は衛星を利用した、航空機、船舶、潜水艦の位置をグローバルで把握するトランシットシステム(写真)を立ち上げた。

トランシットシステム
トランシットシステム

1993年には、はるかに正確なシステムである、Global Positioning System(GPS)に置き換えられた。

クルマに搭載されているGPS

マツダ・ユーノス・コスモは、1990年にGPSを利用したサテライトナビゲーションを装備した最初の量産モデルとなった。

1994年には、BMW(7シリーズE38)がヨーロッパで、翌年にはGMのオールズモビルがアメリカで、それぞれ初めてGPSを搭載したモデルを発表した。

オールズモビルは、ガイドスターと呼ばれるシステムを採用した。

すべてのGPS対応機器は米国空軍の善意により運営されている。

燃料噴射装置

燃費、出力、および信頼性を大幅に向上させた燃料噴射装置は、アントワネットV8航空機エンジンで最初に使用された。

第二次世界大戦中には、戦闘機エンジン、特にメッサーシュミットBf 109(写真)のようなドイツ製エンジンで広く普及した。

メッサーシュミットBf 109
メッサーシュミットBf 109

特定の操作中に電力を失う可能性のあるブリティッシュ・スピットファイアなどの航空機で使用されていたキャブレター・エンジンに対し、燃料噴射装置付きのエンジンは優位に立つことができた。

クルマ用の燃料噴射装置

最も注目すべき燃料噴射装置エンジンの1つに、メッサーシュミットBf 109で使用されているダイムラー・ベンツDB 601のV12エンジンがある。

戦後の時代を象徴する新しい魅力的なスポーツカー用の高性能パワープラントが必要だったダイムラーは、DB 601のシリンダーを半分に減らし、容量を33.9Lから3.0Lに縮小してもなお、243psを実現するエンジンを開発した。

こうして、1954年にニューヨークショーで発表された、かの有名なモデル、メルセデス300SL「ガルウィング」のエンジンが生まれた。

このモデルには、機械式燃料噴射装置が採用された。

電子制御式燃料噴射装置は、1958年にクライスラーが生産したさまざまなモデルで採用されている。

ターボチャージャー

ターボチャージャーは、圧縮した空気をエンジンの燃焼室に送り込み、より多くの電力を生成する。

1905年に特許を取得したが、1915年になって初めてターボチャージャーが燃焼機関に取り付けられた。

アウグスト・ラトー(1863-1930)とターボチャージャー
アウグスト・ラトー(1863-1930)とターボチャージャー

フランス人エンジニアのアウグスト・ラトー(1863-1930、写真左上)は、第一次世界大戦中にフランスの戦闘機に搭載されたルノー・エンジンにターボを取り付けた。

ラトーの独創的なシステムは、高度に関係なく、エンジン内の空気圧を一定に保つことができたため、空気が薄い場所でもその性能を発揮することができた。

クルマに搭載されているターボチャージャー

今日、ターボチャージャーはクルマのガソリンエンジンで広く使われていて、比較的小さなエンジンから大きなパワーを生成するのを助けるため、燃費の向上に重要な役割を果たしている。

ディーゼルエンジンにとっても、出力とトルクを向上させることのできるターボチャージャーは必要不可欠なものとなっている。

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