【1万円札が使えない!】コインパーキング、なぜ「1000円札のみ」が多い? 背景にコスト/おつり

公開 : 2020.02.09 08:50  更新 : 2021.10.22 10:17

1時間あたりの駐車料金 どうやって決める

時間貸し駐車場には、高額紙幣を使いにくいこと以外にも、不思議な点がいくつかある。一番気になるのは時間あたりの料金だ。

20分/100円ならば1時間駐車して300円だが、場所によっては20分/500円で、1時間駐車すると1500円といった料金も見られる。

しかも同じ地域なのに、場所によって料金に格差がある。夜間などに割安に使える最大駐車料金も、指定されていたり、常に同じ金額だったりする。

このあたりを駐車場を運営する大手企業に尋ねた。

「駐車料金の設定は、地域による違いが大きいです。幹線道路を1本隔てただけで、駐車料金の設定が変わる場合もあります」

「料金はそれぞれの地域の特性、つまり借りている土地の相場、周囲の駐車場料金、お客様が使われる頻度などによって異なります。最大駐車料金の時間設定や金額も同様です」

「これらは必要に応じて見直しを行っています」という。

時間貸し駐車場の多くは、地主と駐車場を運営する会社の賃貸借契約に基づいて成り立つ。運営会社は地主に賃料を支払っているから、その金額が高ければ、時間貸しの駐車料金も上昇する。

繁華街の飲食店が概して高めの価格設定になっているのと同様の理由だ。

百貨店の駐車場を使うとオトク?

また、時間貸し駐車場の台数規模が、利用者の数を上まわる地域では、料金を高く設定したら使ってもらえない。

周囲の駐車場が増えたり、あるいは減ったことで、駐車料金を見直すこともあるだろう。

駐車場の近隣に大型オフィスビルができて、来客用の駐車スペースが不足していれば、利用者が増えるから値上げもしやすい。

そうなるとクルマで出かけて都市部の時間貸し駐車場を利用する時は注意が必要だ。

どこも満車で焦り、ようやく空いているスペースを見つけて駐車したところ、10分で400円/1時間あたり2400円! という法外ともいえる料金を請求されてビックリしたことがある。

時間に多少余裕がある時は、目的地付近にある百貨店の駐車場を使うとオトクだ。

例えば5000円以上の買い物をすると2時間無料になる場合、百貨店の駐車場にクルマを駐車したら用事を済ませ、5000円分の商品券を購入する。そこで2時間の駐車券を入手できる。

この商品券は、次に買い物に出かけた時に使う。そこでまた5000円分の商品を買えば2時間の駐車券が手に入るから、商品券の使用で駐車時間を2倍に増やせるわけだ。

その半分を買い物以外の用事に充てればオトクだろう。

それにしても、外出先の駐車料金が高いと、クルマで出かけるのが嫌になってしまう。

昨今の時間貸し駐車料金の高騰も、クルマの販売減少の一因になっている。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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