【歴史あるジャガーのFRという訴求力】ジャガーFタイプ R P575へ試乗 小変更

公開 : 2020.03.20 10:20

ジャガーFタイプのトップグレードを飾り、ポルシェ911のライバルともなるFタイプR。情感豊かなクルマの性格は、ドライバーへの訴求力にも不足はありません。ただし、英国編集部は少し力み過ぎにも感じたようです。

古くから続くFRという訴求力

text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
2シーター・スポーツのジャガーFタイプに、マイナーチェンジが施された。8年目のモデルイヤーを、控えめに祝うように。

スポーツカーは全般的に、1世代の寿命が長い傾向がある。それでもFタイプはいくつかの点で、発表当初から古さを感じさせるものだった。2006年の2代目XKに用いられていた、アルミニウム製のプラットフォームがベースということもあるだろう。

ジャガーFタイプ R P575 AWD(英国仕様)
ジャガーFタイプ R P575 AWD(英国仕様)

他にも理由はある。Fタイプ自体の雰囲気に、懐かしさがある。

70年近い歴史を持つシボレーコルベットは、エンジンの搭載位置をドライバーの前方から後方へと変化させた。しかし、FタイプのレイアウトはFRを維持している。

自動車の歴史に詳しい人に話を聞けば、コルベット誕生のきっかけを教えてくれる。第2次大戦中に、アメリカ軍がジャガーの前身となるSSカーズ社などが生み出した英国製スポーツカーを運転したことで、自国のスポーツカーを望んだのだ。

ジャガーは、シボレーよりスポーツモデルの歴史が長い企業の1つ。2020年も、1930年代と同じレイアウトで、スポーツカーを作っている。そんなFタイプは、筆者への訴求力がとても強い。

搭載するエンジンは3種類で、2種類はV8エンジン。素晴らしい。2021年のモデルイヤーを控えて、スーパーチャージャーで過給するV6エンジンは、欧州市場のラインナップから落ちた。

選択肢は、エントリーグレードに載る300psの4気筒ターボと2種類のスーパーチャージドV8。試乗したのは最高出力575psのユニットが載る、トップグレードのFタイプ R P575 AWDだ。

スタイリングやサスペンションを中心に手直し

4気筒エンジンは後輪駆動のみだが、575psのV8エンジンは4輪駆動のみ。中間の450psのV8エンジンは、後輪駆動か4輪駆動かを選べる。トランスミッションはすべてが8速AT。ボディタイプは、クーペとコンバーチブルが選べる。

FタイプのRには、新しいサスペンション・スプリングに、アダプティブダンパー、アンチロールバーを採用。タイヤの取り付け位置を調整するため、リアアスクル周りにも変更を受けている。

ジャガーFタイプ R P575 AWD(英国仕様)
ジャガーFタイプ R P575 AWD(英国仕様)

ホイールは前後ともに20インチで、幅も広がった。パワーステアリングとトルクベクタリング・システムは、新しいソフトウエアで制御される。

Fタイプのマイナーチェンジでは、スタイリング変更にも多くの予算が充てられている。その効果は、賛否両論かもしれない。AUTOCARの英国編集部でも意見が分かれている。

液体金属のような面構成と、Iペイスのようなフロントグリルを獲得し、スリークでファッショナブルになったと評価する見方もある。一方で、それらを否定する意見も少なくない。

少なくとも、注目を再び集めるという点では成功していると思う。インテリアデザインは基本的に継続で、ドライビング体験にも明確な変化はなかったのだから。

それでもインテリアには、新しい素材が採用されている。試乗車に付いていた、マットブラックのドアハンドルは良いと思った。

メーターパネルは新しくモニター式となり、10インチ・モニターのインフォテインメント・システムには、スマートフォンのミラーリング機能を追加。無線でのソフトウエアのアップグレードにも対応する。

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