【次期「ミウラ」】過去にはコンセプト白紙も かんたんに「復活論」語れぬ背景

公開 : 2020.04.07 05:50  更新 : 2020.04.08 11:01

ランボルギーニ・ミウラ。いわゆる「スーパーカー」の中でも別格の風格があります。2019年の総売上額は前年比28%増と好調のランボルギーニがミウラを復活させるのはアリか? 桃田健史が考えます。

もくじ

ランボルギーニ販売絶好調 前年比28%増
がっかりだった「ミウラ・コンセプト」
北米依存の弊害 リーマンショックで白紙
「復活」の文脈で語るクルマではない

ランボルギーニ販売絶好調 前年比28%増

text:Kenji Momota(桃田健史)

ランボルギーニ・ミウラ。60~70年代、いわゆる「スーパーカー」の中でも別格の風格がある。

現在、世界で流通する個体数はかなり少なく、AUTOCAR(2018年2月)掲載の記事では、海外オークションでの取引価格について一時、ミウラP400Sは1億5000万円級の値をつけたと報じた。

ランボルギーニ・ミウラ(1968年)
ランボルギーニ・ミウラ(1968年)

AUTOCAR英国編集部が今年(2020年)2月に掲載した、イタリアのアルプスで行ったミウラP400試乗記では、同車のオーナーが、程度の良いモノは3億円級ともコメントしている。

超高級クラシックカーとして、世界のメディアでミウラが登場することは多い一方で、次期ミウラに関する情報は最近ほとんど耳にしなくなった。

ランボルギーニのモデルラインナップは現在、V12搭載の「アヴェンタドール」(日本国内価格:4000万円代中盤から6000万円代前半)。V10搭載の「ウラカン」(2000万円代後半から3000万円代後半)。そして、2018年に発売されたランボルギーニ初のクロスオーバーSUV「ウルス」(2000万円代後半)という、大きく3本柱で構成されている。

ランボルギーニは2020年3月、2019年の世界販売実績を公開。それによると、総売上額は前年比28%増の18.1億ユーロ(約2121億円)と過去最高を更新した。

モデル別販売台数は、ウルスが4962台、ウラカンが2139台、アヴェンタドールが1104台と、ウルス効果が大きい。

こうした中で「ミウラ復活」はアリか?

がっかりだった「ミウラ・コンセプト」

ミウラ復活が現実味を帯びたことがある。

2006年1月の北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)のランボルギーニ記者会見。世界のメディアが熱い視線が集まる中、アンヴェールされたクーペモデル。

2006年1月の北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)で発表されたランボルギーニ・ミウラ・コンセプト。
2006年1月の北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)で発表されたランボルギーニ・ミウラ・コンセプト。

ミウラ・コンセプトだ。

筆者(桃田健史)はその現場にいたが、第一印象は「これは、ミウラではない」だった。日米欧のメディアとも現場で意見交換したが、多くがネガティブな意見だった。

ここでいうネガティブとは、「これをミウラと呼んでしまい、量産することは、ランボルギーニのブランド価値を大きく損ねる」という意味合いである。

それほどまでに、ミウラ・コンセプトはミウラではなかった。

なにせ、ボッテリしている。

初代ミウラが持つ、精悍さとエレガントさは微塵も感じられない。

また、妙に背が高い。

真正面から見ると、ドッシリ感がない。初代の雰囲気をなんとなく感じたのはリアパネルのデザインだけだった。

現場で、ランボルギーニのデザイナーらに話を聞く上では、彼らは「現代版ミウラ」に自信満々だった。エンジンも「初代のように横置きをイメージ」というが、技術的な裏付けはまったくなかった。

ミウラ生誕40周年記念品として、こうした張りぼてを公開したことは当時のランボルギーニ経営陣の大きな失敗だったと、改めて思う。

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