【戦後のフォードを支えた】フォード・コンサル三兄弟 英国版クラシック・ガイド

公開 : 2020.06.13 07:50  更新 : 2020.12.08 11:04

コンサル/ゼファーの中古車 購入時の注意点

ゾディアックはややパワーが高く、後にオーバードライブも得ているが、より大きいパワーと段数の多いギアへの要求に応えるのが遅かったフォード。おかげで、アフターマーケット製部品が、特に6気筒向けに数多くリリースされた。

駆動系統の部品は、新品も中古品も英国ではまだ手に入る。当時モノの部品交換は、工賃が高く付く。できるだけボディの状態が良い車両を探し、もし修復作業が必要なら価格交渉へ進もう。

フォード・コンサル/ゼファー/ゼファー・ゾディアック(1950年−1956年)
フォード・コンサル/ゼファー/ゼファー・ゾディアック(1950年−1956年)

コンバーチブルは、当時の技術を考えると偉業といえる。クーペの状態から、電動油圧システムで自動的にオープンへ変身できた。クルマを停めることなく、ソフトトップを閉じることも可能だ。

今購入するなら、ルーフシステムが正常に動き、ソフトトップなどの状態も良いものを選びたい。リビルトは、安くは済まないだろう。

フォードの操縦性は、従来から軽快だった。13インチのタイヤと大きなドラムブレーキとの組み合わせは効果的。相当に積極的な走りをしなければ、フェードはしない。

一足早く、電圧12Vの電装系を採用している。だが、ワイパーはバキューム駆動。燃料ポンプに並んだバキュームポンプによって動かしていた。

ステアリングラックは旧式。過度の遊びがあるなら、リビルトを検討した方が良い。

不具合を起こしやすいポイント

ボディとサビ

溶接部分がしっかりしているか確かめる。修復してある場合は作業の正しさや、修復箇所のサビも確認したい。

フロント周りではヘッドライト下やフロントバランス、ホイールアーチ、ストラット上部が錆びやすい。フェンダーとAピラー、バルクヘッドが交差するエリアは特に注意。深いサイドシルとフロアパンも錆びやすい。ドアの下面や、コンバーチブルの場合は補強部分も同様。

フォード・コンサル/ゼファー/ゼファー・ゾディアック(1950年−1956年)
フォード・コンサル/ゼファー/ゼファー・ゾディアック(1950年−1956年)

リア周りでは、トランクルームの縁やフロア、リアフェンダー、リアバランスのサビに注意。クローム製の部品は、ボディに穴を開けて取り付けられている。多くの部品が今は入手困難。1954年モデル用テールライトなども同様。

エンジン

モデルライフは長いが、発表当初はとても近代的なエンジンだった。多くのコンポーネントは後期型まで共通する。Mk2の6気筒も搭載できる。

オリジナル状態を確かめ、機械的な異音や過度なオイル消費がないか注意したい。ラジエター付近のオーバーヒート痕も観察する。

トランスミッション

3速コラムMTのフィーリングはカシっとしている。2速と3速には、堅牢なシンクロが付いている。今回の取材車両には、当時物のオーバードライブも付いていた。

サスペンションとステアリング

革新的だったフロントサスペンションは、設計も良く頑丈。ステアリングラックが傷み、過度な遊びが発生することで、マウントに亀裂が入った例がある。

インテリア

ゼファー・ゾディアックには、ツートンカラーのレザー内装が奢られた。ゼファーはモノトーンのレザーで、コンサルはハーフレザーのクロス・シートだ。英国では専門家が修復してくれる。

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