【戦後のフォードを支えた】フォード・コンサル三兄弟 英国版クラシック・ガイド

2020.06.13

サマリー

新時代の幕開けを告げたフォード・コンサル/ゼファー/ゼファー・ゾディアックのトリオ。今では扱いやすいクラシックとして英国では堅調な人気があります。そんなクラシック・フォードと一緒の暮らしを覗いてみましょう。

もくじ

現代的なエンジンとフロントサスを獲得
軽快な操縦性と、滑らかな乗り心地
コンサル/ゼファーの中古車 購入時の注意点
不具合を起こしやすいポイント
英国で掘り出し物を発見
オーナーの意見を聞いてみる
まとめ
フォード・コンサル/ゼファー/ゼファー・ゾディアック(1950年−1956年)のスペック

現代的なエンジンとフロントサスを獲得

text:Malcom McKay(マルコム・マッケイ)
photo:James Mann (ジェームズ・マン)
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)

 
英国フォードは第二次世界大戦前、小型車で強い支持を得ていた。シンプルな技術と広々としたボディを備え、オースチン・セブンより快適なサルーンを生み出していた。

大戦後も同様に、安価で妥当な内容を備えたクルマを提供したフォード。だが高級車市場の競争は激しく、古いV8エンジンを搭載したフォード・パイロットの人気は低迷した。

フォード・コンサル/ゼファー/ゼファー・ゾディアック(1950年−1956年)
フォード・コンサル/ゼファー/ゼファー・ゾディアック(1950年−1956年)

しかし、1950年のモーターショーで状況は一変する。フォードは、新しいコンサルとゼファーを発表したのだ。旧式なサイドバルブのV8エンジンは、最新の1508ccの4気筒エンジンと、同じボアとストロークを持つ2262ccの6気筒エンジンへ置き換わった。

コンサルはV8エンジンのパイロットより最高速度が8km/h高く、上級版のゼファーは128km/hまで出せた。

スタイリングはモダンながら保守さも残る。ボディがアンダーフレームへ溶接された一体構造で、モノコックの先駆け的な設計を得ている。

ボディサイズは欧州の道に合わせつつ、室内は可能な限り広く取られた。その結果、前後ベンチシートで定員は6名となっている。

バルクヘッドより後ろのボディは同一ながら、6気筒エンジンのクルマは4気筒より178mm長い。ホイールベースも同様に伸ばされた。

路上での走りも素晴らしかった。フロントサスペンションは、量産車として初めて採用されたマクファーソンストラット式。構造は複雑だったが、背の高いスプリングとダンパーが取り付けられ、セパレートシャシー構造では難しい設計だった。

軽快な操縦性と、滑らかな乗り心地

さらにアンチロールバーが、ブレーキングを支えた。新しいシステムは、優れた乗り心地と操縦性を両立させた。

3速のトランスミッションは時代に逆行していた感はあったが、ドライバーを快適にした要素はほかにもある。油圧クラッチだ。

フォード・コンサル/ゼファー/ゼファー・ゾディアック(1950年−1956年)
フォード・コンサル/ゼファー/ゼファー・ゾディアック(1950年−1956年)

ギア比は高く頻繁な変速操作を求められたが、モデル後半には、6気筒エンジンへオーバードライブのオプションが用意された。多くのコンサルが、オーバードライブ付きの4速へとモディファイされている。

モーリス・ガトソニデスは1953年のレースでゼファーを運転し、ジャガーを破って優勝。最終テスト前の参戦で、ブレーキのフェードが心配だった。そこで、モーリスの子どもたちに水の入ったバケツを持たせ、通過するたびにコース脇から前輪めがけて水をかけさせたという。

当時の試乗記事を見ると、軽快な操縦性に加え、滑らかな乗り心地と優れたコーナリングとのバランスを高く評価している。一方で4気筒でも6気筒でも、フロント荷重が大きく、滑りやすい路面ではホイールスピンしやすかった。濡れた路面でコーナーを攻め込むと、リアタイヤが外へ流れた。

当時物のチューニング・キットは、クルマの価値を高める。現代的なカスタムを受けている場合、内容が良くなければ評価は上がらない。オリジナルに戻すにも、コストがかかるだろう。

 

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