【悩ましい8代目の変化】フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5 TSIへ英国試乗 前編

公開 : 2020.06.07 10:20

フォルクスワーゲンが強く存在感を示してきた、ゴルフ。8代目はこれまで以上に若々しくモダンなデザインを獲得しています。一方で、先代までの優位さは薄らいだとする英国編集部。1.5Lのガソリンターボを試乗しました。

新しい表情を獲得したフロント・デザイン

text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
8代目へと生まれ変わったフォルクスワーゲン・ゴルフ。ファミリー・ハッチバックの市場をリードし、カテゴリーを定義してきたモデルだ。われわれの期待も、かなり高い。

最新のゴルフは、先代の7代目と同じプラットフォームをアップデートして用いている。ボディサイズも大きくは変わらない。エンジンやトランスミッションも、先代の改良版を搭載するグレードが存在する。

フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5 TSI 130ライフ(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5 TSI 130ライフ(英国仕様)

かといって、単純な先代の焼き直しではない。8代目のゴルフは明確に、良くも悪くも、変化している。

ボディの見た目やインテリアの作り込み、ドライビング体験。ゴルフがはらむリスクは大きい。多くのユーザーが実際に運転し、ネットを通じてさまざまな評価が下されるはず。ソーシャルメディア時代に生まれたゴルフだ。

控えめなデザインとモデルの位置づけは変わらないが、欧州ではクルマの中心的な存在ではなくなるだろう。過去数十年に渡って、力強く欧州大陸で販売台数を稼いできたモデルだったのだが。

8代目ゴルフは、4代目からワッペングリルを得た5代目への進化以上に、大きなスタイリングの変化が与えられている。最近、市街地で新しいゴルフだと目を奪われたのはいつだろう。

クルマのプロポーションは従来どおりゴルフ。特にリア周りのデザインは、ゴルフらしい。一方で顔となるフロント周りは、新しい表情を獲得している。

トーションビームのリアサスに130ps

過度に大きく感じられたヘッドライトと、背の高いフロントグリルをまとっていた世代もあったが、8代目ではよりワイドでスリムなデザインへと置き換わった。一見すると、あまりフォルクスワーゲンらしいデザインではない。慣れるまで、少しの時間が必要かもしれない。

英国市場に投入されるエンジンは、英国のゴルフユーザーには見慣れたラインナップ。ガソリンエンジンは、109psを発揮する1.0LのTSI 3気筒ターボから、1.5LのTSI 4気筒ターボまで、何段階かが用意される。

フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5 TSI 130ライフ(英国仕様)
フォルクスワーゲン・ゴルフ1.5 TSI 130ライフ(英国仕様)

ディーゼルエンジンは、2.0LのTDIで、114psと150psの2種類が導入される。電圧48Vのマイルド・ハイブリッドを搭載したモデルは、1グレードのみ。150psの1.5LガソリンエンジンとDSGトランスミッションの組み合わせで、eTSIと呼ばれる。

英国では、追ってゴルフGTEと呼ばれるプラグイン・ハイブリッドも導入予定。続いてGTIにGTI TCR、GTD、Rのエンブレムを付けたグレードも追加されるはず。

すでにドイツでは、8代目ゴルフの上級グレードを試乗している。四輪ともに独立サスペンションで、アダプティブダンパーと可変ステアリングを装備していた。

英国で試乗する右ハンドル車は、エントリー・グレードトリム。16インチのホイールに、通常の固定式ダンパーが付いている。リア・サスペンションはトーションビーム式で、搭載されるエンジンは130psの1.5L TSIだ。

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