【瞬発力はAMG C 63以上】メルセデスAMG CLA 45 Sシューティングブレークへ試乗

2020.07.17

サマリー

例外的に秀でたAMGエンジンを搭載した小さなシューティングブレーク、CLA 45 S。Aクラスを超える実用性と、C 63を超える瞬発力を備えます。しかし価格も含めて気になる部分もある様子。英国編集部が評価しました。

もくじ

最も斬新で個性的なAMG
AMG C 63エステートをも凌ぐ瞬発力
スタイリング優先の実用性
素直でありながら荒々しい二面性
後輪駆動かと思わせるバランスの良さ
メルセデスAMG CLA 45 Sシューティングブレーク(英国仕様)のスペック

最も斬新で個性的なAMG

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
メルセデスAMG CLA 45 Sシューティングブレークは、マーケティング主導というより、鋭い感覚で誕生した特別なモデルという印象を受ける。

メルセデス・ベンツが3世代目のAクラスを発表したのは2013年。驚くほどの俊足を持つ、高価なAMG製のコンパクト・ステーションワゴンは、そこから始まった。

メルセデスAMG CLA 45 Sシューティングブレーク(英国仕様)
メルセデスAMG CLA 45 Sシューティングブレーク(英国仕様)

3代目Aクラスは、独創的だった2代目までとは異なり、より明確な2ボックスのハッチバック・スタイルを得ていた。パワートレインも前席足元へ斜めに搭載するのではなく、通常のFFモデルと同様、前輪車軸上にマウントされていた。

不安定さも指摘されたが、筆者は個性的なところが好きだった初代Aクラス。3代目は一般的な成り立ちへ変化すると同時に、新しいアイデアを具現化することにもつながった。

そのアイデアとは、ホットハッチ市場へ殴り込みを仕掛けるべく、AMGのAクラスを投入すること。メルセデス・ベンツと同様、AMGとしてもエントリーモデルになった。

誕生したAクラスのAMGはA 45。職人が手わざで組み立てる2.0Lターボは最高出力360psを獲得。世界を驚かせるパフォーマンスを誇った。実際、とんでもない1台だった。

同時にメルセデス・ベンツは、Aクラスのボディ展開も進めた。洗練されたサルーンのCLAが生まれ、実用性を高めたシューティングブレークも登場。ハッチバック以上に、強い所有欲を感じさせるモデルとなった。

この2つの要素が融合し、価格帯を問わず、最も斬新で個性的なAMGが誕生する。2015年に発表された、初代CLA 45 AMGシューティングブレークだ。

AMG C 63エステートをも凌ぐ瞬発力

筆者の目には、V型10気筒エンジン時代のBMW M5や、フェラーリFFを彷彿とさせるモデルに写った。速く、使いやすく、独創的。一方で、車内空間は限定的で、ハンドリングも表面的。見た目に匹敵する実力は、獲得できていなかった。

そんなCLA 45が2020年にモデルチェンジ。AMGが45を名乗るにふさわしい内容、パワーとテクノロジーを得ている。スタイリングも、新旧の違いは明らかだ。

メルセデスAMG CLA 45 Sシューティングブレーク(英国仕様)
メルセデスAMG CLA 45 Sシューティングブレーク(英国仕様)

新しいCLA 45 Sは、モータースポーツ・シーンから取ってきたような、フロントのカナードが目立つ。リアには、直径90mmもあるマフラーカッターが4本並ぶ。M139型と呼ばれる職人が組み立てた2.0Lエンジンは、180度向きを変えてフロントに収まる。

ターボチャージャーは運転席側に位置し、エンジン前方には空間が残る。空気特性を高めたデザインを与えるとともに、大きな吸気ダクトの装備も可能となった。

4気筒ターボのM139ユニットは、420psと50.9kg-mを発揮。0-100km/h加速は4.0秒をうたう。

この瞬発力は、カタログ数値上ではAMG製のV8ツインターボエンジンを積んだC 63エステートや、アウディRS4アバントをも凌ぐ。RS4の加速力といえば、本当に狂ったほどの勢いがあるのに。

このAMG CLA 45シューティングブレークは、C 63やRS4よりも軽量。それでも1705kgもあり、先代から90kgほど重くなっている。

増えた車重の原因の1つが、後輪を駆動するためのメカニズム。CLAが多くのコンポーネントを共有するホットハッチ、A 45 Sと同様に、電子制御クラッチがデフに内蔵されている。

 
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