【日本導入にも期待】トヨタ・ハイランダー・ハイブリッドへ試乗 大型SUVが英国へ

公開 : 2020.08.04 08:50

北米などで主に展開される7シーターのSUV、トヨタ・ハイランダー。かつて日本では、クルーガーの名前で販売されていた時期もありました。最新モデルはハイブリッドを獲得し、優れた実用性と経済性を両立させています。

4代目ハイランダーが欧州へ上陸

text:Graham Heeps(グラハム・ヒープス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
トヨタ・ハイランダーは、北米などで20年に渡って販売されているSUV。日本でも、初代はクルーガーという名前で売られていた。

7シーターのパッケージで、全長はカムリに近い。初代から代々、カムリとプラットフォームを共有しているから、当然かもしれない。

トヨタ・ハイランダー・ハイブリッド・リミテッド(北米仕様)
トヨタ・ハイランダー・ハイブリッド・リミテッド(北米仕様)

4代目となる最新のハイランダーは、2020年のモデルイヤーから北米とカナダでの販売が始まる。2021年には、北米インディアナ州で製造されるハイランダーが、欧州へも導入される予定。英国に入ってくるのは、ハイブリッドのみとなるようだ。

土台とするのは、グローバルアーキテクチャー-K、GA-Kと呼ばれるもの。カムリのほか、新しいRAV-4も採用する。ハイブリッド・パワートレインは、トヨタでは4代目となる最新版。こちらも、新しいカムリに採用されているものと同じ構成だ。

エンジンは2.5Lの4気筒アトキンソンサイクル・ガソリンで、前後に電気モーターを2基搭載する四輪駆動。バッテリーはニッケル水素で、2列目シート下にマウントされる。

1列目と2列目の空間は、大人でも不満ないほどに広々。ガラス製の広いムーンルーフが付き、車内を開放的にしてくれている。

3列目シートへの乗り降りは、比較的しやすい。しかし、2列目シートを最大で180mm前方へスライドできるものの、大人には少々狭い。長時間過ごしたいとは思えないだろう。そのかわり3列目を折り畳めば、広々とした荷室が現れる。

燃費は良好だが、意外にも緩い姿勢制御

走行時の車内は、基本的には静か。20インチのホイールを履いている割に、路面からの影響は少ないといえるだろう。ただし試乗車の場合、時折2列目シートから振動音が生じていた。

タイヤは、グッドイヤー製のオールシーズンだったが、英国版では変わる予定。欧州の道路環境に合わせて、サスペンションにも手が加えられるだろう。

トヨタ・ハイランダー・ハイブリッド・リミテッド(北米仕様)
トヨタ・ハイランダー・ハイブリッド・リミテッド(北米仕様)

北米市場向けのクルマとはいえ、コーナリング時のボディーロールは、驚かされるほどに大きい。路面の起伏に対するボディ制御も、緩く感じられた。一方で小さな隆起などの処理は、優れている印象だ。

ステアリングホイールの操舵感は、全長5m近いSUVとして考えれば、充分納得できる重み付けと正確性。カムリほど、満足感のある感触ではない。北米で売られている3列シートのSUV、キア・テルライドほど優れているともいえない。

トヨタ自慢の最新ハイブリッド・システムは、従来どおり良く調律されている。32km/hまでの速度域なら、電気モーターだけでの走行も可能。高速走行時にアクセルを離すと、コースティング状態にもなる。

ハイランダーが焦点を当てているのは、突出した運動性能ではなく、優れた経済性。それでも、スマートな加速と滑らかな追い越しにも対応できる、不足ないパワーがある。

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