【ホンダは中国で強気 スズキはインドで苦悩】両社、海外が重要 しかし異なる戦略 日本への影響は

公開 : 2020.08.07 05:50

スズキがインド市場で大きく低迷。原因は新型コロナウイルスだけではなく、市場回復までは長期化の様相です。それが日本のジムニーにも影響が 一方、ホンダはインド影響少なく中国の回復見込みます。

先行きが見えないスズキのインド市場

text:Kenji Momota(桃田健史)

スズキがインドで困っている。

スズキによると、2021年3月期第1四半期の連結売上高は前年同期比53.1%の4253億円と大きく落ち込んだ。

ホンダeとスズキ・ジムニー。いずれも両社の注目モデル。
ホンダeとスズキ・ジムニー。いずれも両社の注目モデル。    ホンダ/スズキ

同社の事業構成は、四輪、二輪、そしてマリンの3つだが、売上の8割強を四輪事業が占める。

その四輪事業での売上高は、日本、インド、さらにその他(欧州・中国・中近東・南米など)がそれぞれ1/3という構成。日本とインドでの社会情勢の影響が大きく出る。

第1四半期では、日本が前年同期27.6%減で持ち堪えたのに対して、インドは83.0%減と落ち込みが大きい。

背景にあるのはインドの社会情勢だ。

日本でも各種報道で報じられているように、インドは貧富の差が大きく、衛生面で劣悪な環境下にある人々が多い地域での新型コロナウイルス感染の予防が難しく、感染拡大に対する終息の目途が立っていない。

そうした中、今回の決算発表では「当社が主力とするインドでの感染が拡大しており、通期見通しを合理的に算出することは困難」とした。

前期末に続き、今回も公表時期を未定に。

これまで、トヨタ日産、ホンダ、マツダスバルが通期見通しを発表しており、スズキだけが取り残されたかたちだ。

こうしたインドでの影響は日本にも及ぶのか?

ジムニー納期の改善はどうなるのか?

インドの問題は新型コロナウイルス感染拡大だけではない。

コロナ前から、ユーザーに対するローン審査が厳しくなるなど、販売現場では「買いたい人がいても、以前のように売れない」という状況にあるのだ。

スズキ株式会社のインドにおける二輪車の生産販売子会社であるスズキ・モーターサイクル・インディア社(SMIPL社)は、7月13日に累計生産500万台を達成した。
スズキ株式会社のインドにおける二輪車の生産販売子会社であるスズキ・モーターサイクル・インディア社(SMIPL社)は、7月13日に累計生産500万台を達成した。    スズキ

インド政府が積み上げてきた不良債権が引き金となり、2019年から金融不安が起こっている。

ウィズコロナでの経済ダメージから金融環境がさらに悪化すれば、インドでは当面の間、コロナと金融引き締めのダブルパンチが続くだろう。

スズキとしては、日本の軽自動車主体の開発成果を、日本の約2倍の台数を売るインド市場向け小型車で回収するといった、スズキ独自の収益サイクルがこれまで上手く回ってきた。

そのインドの先行きがいま、見えないのだ。

となれば当然、投資効果を精査するため、日本を含む今後の新型モデルや次世代技術について「選択と集中」が必要となる。

一部メディアがジムニー・シエラのインド生産の可能性を報じている。仮にそれが事実であったとしても、インド市場の見通し不透明な現時点では、生産の見直しが検討されるかもしれない。

そうなると、現在のようにジムニーとジムニー・シエラは日本生産のみで国内需要と海外需要を担う体制が継続されることになる。

結果的に、両モデルの日本向け納期が短縮できないことになってしまう……。

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