【Aクラスより小回りが効く】メルセデス・ベンツSクラス・プロトタイプへ試乗

公開 : 2020.08.12 10:20

メルセデス・ベンツのフラッグシップ・サルーンがモデルチェンジ。よりドライバーへ焦点が向けられた次期Sクラスは、同クラスのリーダー的地位を守れるでしょうか。英国編集部がドイツで、試作車のリアシートに試乗しました。

もくじ

標準のSクラスとして初の四輪操舵
混雑する都市部でも大幅に運転しやすい
ボディの60%はアルミニウム製
インテリアの新しい技術水準

標準のSクラスとして初の四輪操舵

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
メルセデス・ベンツは、7代目のSクラスでラグジュアリー・サルーンの動的性能へ革命を起こす、と表明している。過去のSクラスで、最もドライバーに焦点が向けられたモデルになるようだ。発表は2020年の9月、英国での発売は2021年初めとなる。

7代目では、AMG仕様を除くSクラスとして初めて四輪操舵システムを搭載。機敏なシャシー・セッテイングが与えられる。

メルセデス・ベンツSクラス・プロトタイプ
メルセデス・ベンツSクラス・プロトタイプ

ちなみにアウディA8やBMW 7シリーズでは、すでに四輪操舵が採用されている。この3台で現状最もドライバー・オリエンテッドなのは、7シリーズだといえる。

ライバルモデルの場合、後輪の舵角は数度程度に留まるのに対し、Sクラスのシステムでは最大で10度も角度が変えられるという。設定には2種類が用意されるそうだが、この舵角は大型の商用車並みの数字となる。

Sクラスのチーフエンジニア、ユルゲン・ヴァイシンガーによれば、現行モデルの最小回転直径が10.2mなのに対し、7代目Sクラスでは2.0mも小さくなっているとのこと。アウディA8の場合、ダイナミック四輪操舵システムを備えていても、11.4mもある。

新しい四輪操舵システムによって、都市部での取り回しが良くなるだけでなく、高速域での安定性も大幅に向上するとヴァイシンガーは自信を見せる。

混雑する都市部でも大幅に運転しやすい

今回AUTOCARでは、量産版に近いプロトタイプへの試乗が許された。リアシートだが。そして、彼の主張が正しいことを確認できた。新しいSクラスは、はるかにボディが小さいクルマ並みの扱いやすさを得ているようだ。

現行のSクラスより、大幅に乗りやすくなるだろう。混んだ都市部や狭い駐車スペースでも、より少ないステアリング操作と切り返しで運転できる。

メルセデス・ベンツSクラス・プロトタイプ
メルセデス・ベンツSクラス・プロトタイプ

「まったく新しい世界です。Aクラスより最小回転直径は小さいほど。ゲームチェンジャーといえるでしょうね」。と話すヴァイシンガー。

リアタイヤの角度を司るのは、電動アクチュエーター・アーム。新開発の5リンク・リアサスペンションに統合されている。

動き自体は、通常のシステムと同様。基本的に、低速域ではフロントタイヤと逆向きに切られ、高速域では最大1.7度で、同じ向きにリアタイヤが切られる。

2種類の設定のうちのもう1つは、フロントとリヤでタイヤサイズが異るクルマ用。最大5度まで、高速域でタイヤが切られるという。

四輪駆動システム、4マティックも最新版。アクティブ・サスペンションシステム、E-ABCも新しく更新された。コーナリング中にボディを傾け、ロールを打ち消すほか、加減速時にもボディの姿勢変化を抑えてくれる。

これらの高度で複雑な機能は、新開発のエアサスペンション、エアマティックとセットで、すべてのSクラスに標準装備される。

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