【地味系フェラーリ】なぜ、612スカリエッティが高額落札? セミATとMT、現在の評価 RMサザビーズ・オークション

公開 : 2020.08.19 07:20  更新 : 2021.10.11 09:34

6速マニュアル+低走行=高額落札

RMサザビーズ・シフト/モントレー・オークションに出品された612スカリエッティは、超希少な6速マニュアル仕様の2005年モデル。

さらには走行が5700マイル(9120km)とローマイレージで、オプションだった上品な色合いの「アズーロ・カリフォルニア」と、ダークブルー・レザーの内装のコンビネーションが魅力を増していた。

3ペダルの612スカリエッティ。4人乗りとはいえ、マニュアルこそフェラーリの王道。この後の世代ではトランスミッションはDCTとなり、MTの選択肢がなくなる。
3ペダルの612スカリエッティ。4人乗りとはいえ、マニュアルこそフェラーリの王道。この後の世代ではトランスミッションはDCTとなり、MTの選択肢がなくなる。    RM Sotheby’s

ちなみに612スカリエッティは2003年から2011年にかけて3025台が生産されたが、6速マニュアル仕様はわずか199台が作られたにすぎない。

オークション主催者が事前に発表した予想落札額は、25~27.5万ドル(2675~2943万円)。

競売期間の終了1日前までは8件の入札しか入らず17万ドルに留まっていたが、最後にヒートアップ。最終的に29件の入札を集め、予想落札額を大きく上回る32.45万ドル(3473万円)で決着がついた。

コレクターズカー・バブルが弾け、新型コロナウイルス感染症が広がる中でのオンライン・オークションだったが、6速マニュアル仕様の希少性とコンディションの良さはしっかりと評価されて高額落札に至った。

見る人は見ているのだ。結果を確かめれば、地味なクルマではなかったのである。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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