【3000万円超で落札も】日産スカイラインGT-R R34高騰 いったいどこまで高くなる? 一時的との見方とも

公開 : 2020.10.24 05:50  更新 : 2022.03.25 18:51

過去にも3200万円で落札されていた?

10月上旬のUSS東京で3300万円超で落札された「Mスぺニュル」。実は過去にも別のオークションにて3200万円(手数料・税別)で落札されたことがある。

2018年1月の東京オートサロン会場で開催されたBHオークションだ。この時に出品されたのは「2002年 日産スカイラインGT-R VスペックII Nur」で、なんと未登録の新車(走行距離わずか10km)。

日産GT-R R34の高騰について「今後の値上がりについては懐疑的な見方もありますが、コロナ相場の株と同じような気もしますよね」と米「TOP RANK USA」は考える。
日産GT-R R34の高騰について「今後の値上がりについては懐疑的な見方もありますが、コロナ相場の株と同じような気もしますよね」と米「TOP RANK USA」は考える。    加藤博人

この頃からすでにR34の価格は高騰し始めていたが、それでも、いきなりの2000万円スタートは会場をどよめかせた。

未登録の新車ともなれば、いまなら3500万円超は確実だろうか。

この先、R34 GT-Rは、いったいどこまで値段が上がっていくのだろうか? アメリカ・ロサンゼルスで数多くのスカイラインGT-Rを扱う専門店「TOP RANK USA」にR34の今後について聞いてみた。

「過去3か月でR34に関しては50%値上がりしたみたいなので異常ですね」

「なお、アメリカでは25年ルールを待たずに、輸入する方法があります。『show or display』(公道を走らず展示用のクルマ)という輸入方法で輸入し、25年を経過すれば登録が可能になります」

「最近はアメリカ以外のマーケットも活発と聞いているのですべてのR34がアメリカ向けではないと思っています」

「今後の値上がりについては懐疑的な見方もありますが、コロナ相場の株と同じような気もしますよね」

「コロナ後の値上がりは少し異常な状況ですから今後一旦値段は下がると読んでいますがどうでしょうかね?」

ノーマルグレードも最下限600万円!

R34スカイラインGT-Rをレンタカーとして貸し出している、おもしろレンタカー(千葉県野田市)の齊藤隆文社長も、長年R34の価格変化に注目する1人だ。

同社がはじめてR34 GT-Rをレンタカーとして導入したのは2013年のこと。当時は150万円ぐらいから手に入ったという。

世界的人気を誇るカーアクション映画「Fast & Furious」シリーズで主演を務めていた故ポール・ウォーカーが劇中でも、プライベートでも乗っていたことも人気を高騰させた理由の1つ。
世界的人気を誇るカーアクション映画「Fast & Furious」シリーズで主演を務めていた故ポール・ウォーカーが劇中でも、プライベートでも乗っていたことも人気を高騰させた理由の1つ。    加藤博人

7年前の相場の下限は150万円位からでした。ちょっと手を入れればしっかりと走りを楽しめるような個体もありました。

その後、4年前位には下限は350万位になりましたね。

現在は最下限(オークションで落札されるもっとも安い価格)の程度の良くないクルマですら、600万円に位に上がっていますね。

ノーマルグレードやVスペックなどのグレードです。

これからもっと上がるかどうかは…株と一緒だと思います。世界的に金融緩和が進み、株や美術品と同じく、稀少車にお金が流れているだけなのかなと思っています。

一部の中華系実業家は完全に投資と割り切ってこれらのクルマを購入し空調が管理された倉庫に保管しています。

高値傾向は続くと思いますが、株が下がれば下がるのではないでしょうか。リーマンショックでの経験からです。

あとは、香港問題も有りますね。(香港では日本製スポーツカー、特に限定車が異常人気)」

スカイラインGT-Rはアメリカのみならず、アジア、中東でも非常に人気が高い。

それはなぜか?

世界的人気を誇るカーアクション映画「Fast & Furious」シリーズで主演を務めていた故ポール・ウォーカーが劇中でも、プライベートでも乗っていたことも人気を高騰させた理由の1つだ。

そしてR34まで日本以外で新車として販売されることがなかったクルマであることも大きな理由となる。

現行型の日産GT-Rになって初めて公式に左ハンドル車が設定され、海外での販売も開始された。

日本でしか販売されなかったことで、より一層希少性が高まり、神がかり的な高価値を生み出していると言える。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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