【人気のアウディ入門モデル】アウディQ2 1.0 TFSIへ試乗 フェイスリフト

公開 : 2020.11.04 10:20

コンパクト・クロスオーバーのアウディQ2がフェイスリフト。エンジン系は従来どおりながら、前後バンパーのデザインやテクノロジーのアップデートを受け、人気モデルの魅力維持が図られています。英国編集部が評価しました。

Q2オーナーの半数は初めてのアウディ

text:James Disdale(ジェームス・ディスデイル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
競争が激しくなるばかりの、コンパクト・クロスオーバー。どの自動車メーカーも人気にあやかろうと、新モデルの投入を続けている。

その1台、アウディQ2も堅調だ。2016年の発売以来、毎年1万7000台ほどを販売し、アウディの中で最も人気なSUVとなっている。

アウディQ2 1.0 TFSI テクニック(欧州仕様)
アウディQ2 1.0 TFSI テクニック(欧州仕様)

特に注目すべきは、Q2のオーナーの半数が、初めてのアウディとして選んでいること。プレミアム・ブランドの、大切な入り口をなしている。

この人気を持続させるべく、アウディはQ2にフェイスリフトを施した。メインターゲット層に響くように、デザインはよりシャープに、テクノロジーはより先進なものへとアップデートされている。

アダプティブ・クルーズコントロールや、車線維持支援システムもオプションで選べるようになった。これは年齢層を問わず、歓迎されるはずだ。

スタイリングの変更は控えめ。違いを確認するには、フェイスリフト前のQ2と並べる必要があるかもしれない。

フロントバンパーは、下部のグリルと両脇のエアインテークを大型化。LEDヘッドライトは、Q2全体で標準装備に。アダプティブ・ヘッドライトは、最上級のフォアシュプルング・グレードで標準。ほかのグレードではオプションとなる。

リアバンパーにも手が入った。下部左右には、5角形のグリル風デザインが与えられたことが特徴だろう。ボディには新色が追加され、アルミホイールにも新デザインが加わっている。

自然な機敏さで、想像以上に活発に走る

インテリアでは、エアコンの丸い送風口に手が入り、シフトレバーのグリップは四角いものへ変更。筆者の場合、フェイスリフト前の方が握りやすく感じた。シートやドアパネルには、新しいファブリックが採用されている。

メーターパネルは、12.3インチ・モニターによるバーチャル・コクピットを採用。英国ではエントリー・グレードを除き、標準装備となる。

アウディQ2 1.0 TFSI テクニック(欧州仕様)
アウディQ2 1.0 TFSI テクニック(欧州仕様)

MMIインフォテインメント・システムは、ロータリーコントローラーと物理ボタンで操作するタイプ。ひと世代前の仕様ながら、タッチモニターだけでの操作より、直感的に扱える。

残りの部分は、フェイスリフト前と同じ。車内は4人家族に不足ない広さがあり、プレミアムな雰囲気が漂う。

ドライビング体験も従来どおり。運転しやすくまとまりに優れるが、魂が熱く沸き立つことはない。可変レートのステアリング・レシオはクイックではないものの、設定は良く、自然な機敏さをQ2に与えている。

ステアリングホイールを切り増ししていくほど、反応が良くなっていく。フロントタイヤのグリップ力は驚くほどで、高い速度を保ってコーナーを旋回していく。ブレーキ制御によるトルクベクタリング・システムの介入も、強すぎない。

引き締められた姿勢制御も、走りに良い影響を与えている。得られる充足感は控えめながら、Q2は想像以上に活発に走る。

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