超希少フェアレディZ432Rが高額落札!幻のトミーカイラR-zも登場【BHコレクティブル・オークション】

公開 : 2025.05.17 11:45

日本でコレクターズカーを専門とする『BHオークション』が5月9~10日、『コレクティブル・オークション』をA PITオートバックス東雲で開催しました。上野和秀によるレポートです。

希少な27台を用意

日本でコレクターズカーを専門とするオークションハウスが、ビンゴスポーツによる『BHオークション』だ。日本唯一の専門オークションハウスとして積極的に活動を続けている。

1月と3月に開かれた2回のコレクションカー・オークションに続き、ゴールデンウィーク明けの5月9~10日に、『コレクティブル・オークション』がA PITオートバックス東雲を舞台に行われた。

5月9~10日に、『コレクティブル・オークション』がA PITオートバックス東雲を舞台に行われた。
5月9~10日に、『コレクティブル・オークション』がA PITオートバックス東雲を舞台に行われた。    BHオークション

今回は希少な日本車から輸入車までのコレクターズアイテムといえる27台が用意された。その中で大きな注目を集めたのが、R34スカイライン GT-Rをベースにトミーカイラが手を加えたコンプリートカーである超希少な『R-z』が姿を見せたことだ。

このほかスカイライン2000GTB、レース用ベースモデルのフェアレディZ432R、純正のフェアレディ240ZG、スカイラインR32 GT-Rと日本車ファンに人気のモデルが並んだ。

また、他のメーカーではなかなか市場に出てこないサバンナGT(RX-3)が出品された。現役当時に走り屋により改造されてしまった車両が多い中、前オーナーはオリジナルにこだわって維持していたので完璧なコンディションが保たれていた。

今回は様々なメーカーとタイプに加え、英国車が数多く集められたことに注目したい。変わったところではWRCに参戦したワークス・ダイハツ・シャレードがタイプ違いで2台が登場したことも注目を集めた。

このほか鈴鹿サーキットのコースから作成したモニュメントのほかフェラーリのメモラビリアに加え、初めてコレクションカメラが出品された。

トミーカイラR-zの結果は

今回のコレクティブル・オークションで大きな注目を集めたのは、トミーカイラがBNR34スカイラインGT-Rをベースに製作したRシリーズの最強版となる530hpを発揮するR-zのV-スペック仕様だ。生産台数は10数台という超希少車で、走行距離は2万km強だけに、予想落札額は1億2500~1億7500万円と発表されていた。

オークションは9000万円からスタート。しばらくは激しい応札が続いたが、1億1250万円でストップ。そこから伸びることはなく、最低落札額に届かず流れてしまった。

トミーカイラがBNR34スカイラインGT-Rをベースに製作した、Rシリーズ最強版となる530hpを発揮するR-zのV-スペック仕様。
トミーカイラがBNR34スカイラインGT-Rをベースに製作した、Rシリーズ最強版となる530hpを発揮するR-zのV-スペック仕様。    BHオークション

一方で最高額で落札されたのが競技用ベース車両として少数が作られたフェアレディZ432Rだった。製作されたほとんどが実戦で使用され、ノーマルの市販状態で残るのはごく僅かだ。その希少性とコンディションの良さから熱い入札が続き、今回の最高落札額となる5550万円で決着した。

姉妹モデルのフェアレディ240Zも人気を集め2264万4000円で落札。このほか熱い視線が注がれたのがポルシェ996 GT3RSだ。昨今のGT3ブームもあり、競技用のRSながら登録可能なだけに、今回最多の入札を集めて最終的に2331万円で決した。

オークションはおろかショップにも滅多に姿を現さないRX-3ことマツダ・サバンナGTは、当時散々いじられてしまいオリジナルを保つ個体は皆無といえる。今回の出品車は前オーナーのこだわりでオリジナルが保たれていたため、1110万円で落札された。

WRCを闘ったダイハツ・シャレードだが、1993年サファリ・ラリーでクラス優勝したG100S型は流れてしまった。一方スイスのディーラーからエントリーし1981年のモンテカルロ・ラリーでクラス優勝したG10型は、エンジン、ギアボックスが失われ書類もない状態だったが27万7500円で愛好家の許へ行くことになった。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事