【2020年のベストEV】プジョーe208 優れた走りとデザイン 航続距離は349km 英国編集部選出

公開 : 2020.12.30 05:45  更新 : 2021.05.18 16:15

スタイリングとパフォーマンスに優れるプジョー208。その評価は、純EV版のe208でも変わりません。運転が楽しく、純EVの中では価格も手頃。過渡期の中で、ユーザーの不安を払拭するのに充分な航続距離も評価しています。

美しいデザインと349kmの航続距離

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
プジョーe208は、純EVへ一歩を踏み出す気軽な選択肢として、高く評価されるべき内容を持つ。運転の楽しさやデザインの美しさという点でも、208はコンパクトカー市場のトップレベルにある。

ほかの自動車メーカーが、高価格帯の純EVを大きいボディで投入したり、短い航続距離をシティカーという理由で正当化しようとする中で、プジョーは全長4mのe208を発表した。

プジョーe208(英国仕様)
プジョーe208(英国仕様)

ガソリンエンジンを積むクルマと違わないパッケージを備え、航続距離は349kmと充分。同等の内容を持つルノー・ゾエも発売されているが、動的性能やデザインの美しさでは、プジョーe208の方がずっと良い。もっとも、発売時期には7年もの差があるが。

e208はリアトレッドがガソリンエンジン版の208より広く、オーバーフェンダーも付き、見た目はさらに良い。インテリアもプレミアムな雰囲気がある。革新的なi-コクピットも、改善されている。

高い位置のメーターパネルと、低い位置のステアリングホイールは、機能的。小径のステアリングホイールは、低速域での機敏な走りにも好都合だ。ドライバーは低く座れ、視界も良好。

90km/h以下での走りは活発。110km/hでの高速巡航も、見事な静けさを保ってこなせる。ロードノイズや風切り音も小さい。ただし、高速なほど航続距離は短くなるけれど。

バッテリーが空になっても、プジョーe208は100kWまでの急速充電器に標準で対応する。最短30分で、80%の容量まで電気を蓄えられる。

安価な価格と、好印象なオンロードマナー

オンロードマナーも、e208の美点。驚くほどしなやかなサスペンションは、プレミアムと呼びたくなるほどの洗練度。高速域でも変わらない。比較的速度域が低いであろう純EVの場合、多くのドライバーが快適なまま過ごせるはず。

ヴォグゾールオペル)・コルサ-eも、プラットフォームやパワートレインを共有する。しかし、素晴らしいプジョーe208とは、異なるの乗り心地に仕上がっている。

プジョーe208(英国仕様)
プジョーe208(英国仕様)

ガソリンエンジン版の208より300kgも重く、e208のハンドリングはアンダーステア傾向。それでも、引き締まった身のこなしで扱いやすく、安定性は高い。

プジョーe208は比較的手頃な価格も魅力。安価なエネルギーコストや税制的なメリットが、強く後押ししてくれる。

現実的な利用条件でも、プジョーe208なら今までのクルマと同様に乗れ、電気モーターの走りを体験できる。新世代として、期待通りの内容だといえる。

審査員コメント

Matt Prior(マット・プライヤー)

種類が増えつつある純EVの中で、最も優れたモデルとしてプジョーe208が選ばれる理由。それは、ガソリンエンジン版のプジョー208が、そもそも好ましいモデルだというところにある。

デザインは美しく、質感も高く、運転が楽しい。コンパクトカーとして、2020年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれるほど。

それをベースとするe208は、ガソリンエンジン版と同等の長所を、違和感のない純EVとして享受できている。しかも、手頃な価格で。

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