【運転すればわかる良さ】BMW 4シリーズ 420d Mスポーツ・クーペへ試乗 マイルドHV 前編

公開 : 2020.11.15 10:20

BMWらしい優れた技術力と、一新されたインテリアでドライバーを惹き付ける新しい4シリーズ・クーペ。フロントグリルに注目が集まりますが、ハンドリングとパフォーマンスは、強い訴求力を持つと英国編集部は評価します。

興味を持ったら実物を見てほしい

text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
第2世代へと生まれ変わった、BMW 4シリーズ。その中でも420dは、英国に上陸する4シリーズで最も空気抵抗が少なく、燃費効率に優れ、車重が1番軽い。

興味があり実物をまだ見ていないなら、ディーラーで本物を目にしてはいかがだろう。様々な意見を誘うボディデザインではあるが、実際に自身で判断する方が良いと思う。

BMW 4シリーズ 420d Mスポーツ・クーペ(英国仕様)
BMW 4シリーズ 420d Mスポーツ・クーペ(英国仕様)

慎重に言葉を選んでみるものの、遠くから見ると、事故にあったクルマの正面に見えなくもない。多数派の意見に賛同する、という考えを抱くかもしれない。

その容姿にショックを受けるのか、強く惹き込まれるのかは、人それぞれ。対面した第一印象の次に思い浮かぶのは、インパクトのあるスタイリングの内側にどんな実力を備えているのか、ということ。

新しい4シリーズには、英国では4種類のエンジンが用意される。後輪駆動と四輪駆動を別に数えると、グレードとしては5種類ある。

この中で頂点を飾るのが、374psのM440i xドライブ。直列6気筒のガソリンターボを搭載する唯一のグレードで、四輪駆動となる。今回試乗した4気筒ディーゼルターボの420dでも、四輪駆動が選べる。

手頃な4気筒ガソリンターボがお好みなら、183psの420iと、258psの430iが選べる。もし6気筒のディーゼルターボがご希望なら、430dとM440dが2021年から英国では販売が開始される予定だ。

上品で知的な雰囲気のインテリア

この中で、新しい電圧48Vのマイルド・ハイブリッドが採用されるのは、ディーゼルターボと、6気筒ガソリンターボのみ。選別理由は明らかではないものの、ガソリンエンジンよりディーゼルエンジンの燃費効率が高いという事実が、強調されることになりそうだ。

実際、ガソリンの420iとディーゼルの420dの間には、7.1km/Lもの燃費の差がある。新しいクーペの燃料にどちらを選ぶか、考える良い材料になるだろう。

BMW 4シリーズ 420d Mスポーツ・クーペ(英国仕様)
BMW 4シリーズ 420d Mスポーツ・クーペ(英国仕様)

先日ドイツで試乗したのは、4シリーズ・クーペの中でもトップとなるM440i xドライブ。目立った弱点のない、素晴らしい走りを体験することができた。違いはあるにしろ、今回試乗した420dでも、その多くが当てはまるといっていい。

インテリアのデザインは上品で、知的な雰囲気がある。眺めていて心地いい。

彫刻的な造形の、高級感あるダッシュボードまわりは、新しい3シリーズと並んで大幅に知覚品質を高めている。そこへ先進的なテクノロジーを盛り込み、従来以上にオーラを感じさせる車内空間を生み出している。

モニター化されたメーターパネルの見やすさは、ベストとはいえないと思うが、ヘッドアップ・ディスプレイは優秀。補えるだけの役目を果たしてくれる。

ドライビングポジションは低く、筆者の希望通りの姿勢が取れる。足の長いドライバーでも、シートがしっかり受けとめてくれる。運転以外の操作系の人間工学的な配置も、非の打ち所がない。

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