BMWの直6「B53」が動力源(2) オフローダーにロードスター 3種を比較試乗 理想像はZ4?
公開 : 2025.10.03 19:10
BMWの直6「B53」が共通の動力源 直接響きを鑑賞できるM440i コンバーチブル 慣れが必要なグレナディア 飛躍的に進化した最新モーガン UK編集部が個性の強いトリオを乗り比べ
もくじ
ー飛躍的に進化した最新のモーガン
ー近年のモデルとしては稀に見るしなやかさ
ー運転するほど良さが見える四駆のM440i
ーエンジンが深める3種の魅力 理想像はZ4?
ーB58エンジンを積んだ3台のスペック
飛躍的に進化した最新のモーガン
「このクルマで急ぐのに、気の弱い人は向かない」。とAUTOCARは過去にイネオス・グレナディアの印象を残しているが、筆者も同感。悪路を前提としたステアリングは、緩やかなカーブでも腕の大きな操作が求められる。シャシーの反応は素早くない。
ゆったりしたペースなら、高速道路でも特有の魅力を発見できる。B53エンジンが遠くで唸り、四角いボディが重々しく進んでいく。マニュアルモードを選び、3速で固定すれば、郊外での運転の充足度も低くない。燃費も意外と伸びそうだ。

そこから、同じくクラシカルな雰囲気のスーパースポーツへ乗り換える。もし従来のプラス6だったら、グレナディアがリビングのように快適に思えたかもしれない。しかし最新のモーガンは、飛躍的に進化した。
木材のアッシュ材をフレームにしたボディは、従来に増して洗練度を高めた。すべての部品は徹底的に改良され、意のままの操縦性と乗りやすさを両立させている。
近年のモデルとしては稀に見るしなやかさ
8速ATは、Dレンジのままでは穏やか。プジョー由来のパドルを弾いても、積極的にギアは変わらない。Sを選び、ユニット任せにギアを選ばせた方が、進化したシャシーとB58エンジンの能力を引き出しやすい。
レッドラインはBMW M440iと同じ7000rpmながら、到達時間はほぼ半分。グレートブリテン島の傷んだ路面は、近年のモデルとしては稀に見るしなやかさで処理される。

グリップ力は想像以上。ヘアピンの2速の立ち上がりでも、相当に気張らなければトラクションは崩れない。シャシーとのコミュニケーション力は、最高水準ではないとしても。
ドアの上半分を外して、6気筒の上質な咆哮を直接浴びようと考えたが、間違いだった。激しい気流がキャビンへ流れ込み、風切り音が充満し、エンジン音は殆ど聞こえなくなってしまう。後続車は、アフターファイヤーの破裂音を楽しめるかもしれないが。
運転するほど良さが見える四駆のM440i
M440i コンバーチブルなら、オープンのままで素晴らしい音響体験を享受できる。四輪駆動でATのBMWは、少し前までは異端児的な存在だったかもしれない。しかし2025年では、最もバランスの取れたモデルの1つだと筆者は思う。
運転するほど、良さが見えてくる。xドライブ・システムは走りの正確性を高めつつ、操る喜びもしっかり味わわせてくれる。車重は軽くないが、冬場の安心感を考えれば、悪くないトレードオフといえるだろう。

ステアリングは切り始めから重みが増し、自信を高める。サスペンションはスポーツ度が高いが、落ち着きがあり充分に快適。次期ノイエクラッセにも、これらの長所が受け継がれることを切に願う。
そして直6エンジン。スムーズでトルクフルで、荒削りな印象はない。いかにも、BMWの滑らかなユニットだ。ライトMモデルとして、実にふさわしい。




















































































































































