【ドイツの感動を広島でも】マツダ本社ミュージアム、リニューアル待ち遠しい さらなるパワーアップの提案

公開 : 2021.01.13 05:45

英国AUTOCAR編集部も取材したドイツ版「マツダ・ミュージアム」に感動……。広島のマツダ・ミュージアムでも更なる感動を味わうために筆者は提案します。

ドイツ私設博物館の凄み

text:Kenji Momota(桃田健史)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

「やはり広島に、本格的ミュージアムが必要だ」

英国AUTOCAR編集部の取材記事として先日、ドイツ国内にある私設マツダ・ミュージアムが紹介されたが、それを見て筆者(桃田健史)はそう思った。

マツダ・クラシック・ミュージアム・フライ
マツダ・クラシック・ミュージアム・フライ

時計の針を少し戻すと、2017年8月から9月にかけて、筆者はドイツ各地を勢力的に取材していた。

起点となったのは、フランクフルト郊外の研究開発拠点マツダ・モーター・ヨーロッパ(MRE)で開催された「マツダグローバル技術次世代フォーラム」だ。

目玉は、世界初公開となったスカイアクティブX。テスト車両のマツダ3(旧アクセラ)に搭載された状態でアウトバーンをフルスロットルで走った。

翌日、CX-5を自ら運転し、フランクフルトから南東方向へ約400km移動して、ミュンヘンの少し手前にあるバイエルン州アウクスブルグに向かった。

町の中心部には観光名所も多く、路面電車がのんびりと走っている。そんな市街地に「マツダ・クラシック・ミュージアム・フライ」があった。地元でマツダ・ディーラーを経営する、マルクス・フライ氏が父の代からこつこつと集めたマツダ車を展示する私設マツダ・ミュージアムである。

そこは英国AUTOCAR編集部が絶賛するように、実に濃い内容だった。 

広島以上のラインアップの理由

同行したマツダ本社関係者は「スカイアクティブXという次世代技術と、マツダが辿ってきた歴史、それぞれを体感して頂きたかった」と、現地ツアーの主旨を説明した。

さらには「マツダの広島本社にあるミュージアムでも展示がない車両があるなど、マツダ関連では世界最大級の展示内容だ」と、フライ・ミュージアムがいかに貴重な存在かを強調した。

マツダ・クラシック・ミュージアム・フライ(フライ氏とコスモ・スポーツ)
マツダ・クラシック・ミュージアム・フライ(フライ氏とコスモ・スポーツ)

最終的にはフライ・ミュージアムとなったが、フライ氏の父親の初代コレクションは、コスモ・スポーツだったという。しかも、アメリカで見つけた車両。

その他、フライ氏の父親は日本にも何度も足を運び、気に入ったマツダ車があればドイツへの輸送手続きを取った。さらに、マツダ車の人気が高く、国内シェアが高いオーストラリアでもさまざまなマツダ車を買い付けてきた。購入時点での車両の状況は様々だが、これらをフライ氏が経営するマツダ正規ディーラーの一角で、丁寧にレストアした。

本来は、こうした作業をマツダ本社が積極的におこない、マツダのコレクションを充実させるべきだが、ドイツの比較的小規模なマツダ・ディーラーがこうした文化的活動を自費でおこなっていることに、マツダ本社関係者らはあらためて敬意を示した。

では、マツダ本社のミュージアムはどうなっているのか?

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