【見た目と能力の両立】アウディSQ5スポーツバックへ試乗 クーペ風SUV 新登場

公開 : 2021.02.05 10:25

クーペ風のビジュアルが特長となる、パフォーマンスSUVのSQ5スポーツバック。英国編集部がディーゼル・マイルドHV版を評価しました。

V6ディーゼルはマイルドHV化

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
最近フェイスリフトを受けたアウディSQ5に続いて新しく登場したのが、クーペ風のSQ5スポーツバック。SQ5と同様にディーゼルエンジンはマイルド・ハイブリッドで、主要コンポーネントも新しい。

BMW X4 40dやメルセデス・ベンツGLCクーペなどの対抗モデルとして、テールエンドは傾斜を強め、スタイリッシュなスタイリングをまとう。純EVのeトロン・スポーツバックに似たサイドビューが特長だ。

アウディQ5スポーツバック 40 TDI クワトロ Sトロニック(欧州仕様)
アウディQ5スポーツバック 40 TDI クワトロ Sトロニック(欧州仕様)

ルーフからテールゲートにかけての傾斜したラインは、ファストバックのよう。通常のSQ5よりさらに華やかな見た目を生んでいる。

フロント中央には、大きなハニカム・グリルを装着。リアのOLED(有機EL)テールライトも新しく、ドライブモードでダイナミックを選択すると、ライトが灯るグラフィックも変化する。

製造はメキシコで行われ、北米市場などでは3.0LのV6ターボガソリンが搭載されるが、英国市場に導入されるのは3.0LのV6ターボディーゼル。電圧48Vのマイルド・ハイブリッドで、アウディがEPCと呼ぶ、電動コンプレッサーも組み合わされる。

アクセルペダルの踏み込みが浅い状態では、電動コンプレッサーが空気を圧縮。排気がブースト圧を充分に生成できない場合でも、多くの空気をエンジンへ送り、ターボラグを減らし加速力を高めるシステムだ。タービンの回転数が速まれば、EPCは停止する。

ライバルに勝る、340psと71.2kg-m

マイルド・ハイブリッドの内容は、クランクシャフトと結ばれたスターター・オルタネーター(ISG)が、エンジンをアシストするもの。ブレーキング時などで、最大12kWのエネルギー回生を行う。発電された電気は、荷室下のバッテリーへ蓄えられる。

その電力はエンジンの負荷を減らすと同時に、クルマの電装品へも利用。燃費を向上させ、CO2の排出量を減らしてくれる。エフィシェンシー・モードを選んでいて、惰性走行など負荷が軽い場合には、可能な限りエンジンは停止する。

アウディQ5スポーツバック 40 TDI クワトロ Sトロニック(欧州仕様)
アウディQ5スポーツバック 40 TDI クワトロ Sトロニック(欧州仕様)

システム総合での最高出力は340psで、最大トルクは71.2kg-m。6気筒ディーゼルターボで比較すると、BMW X4 40dは354psと69.1kg-mで、メルセデス・ベンツGLC 350dは257psと63.0kg-mを得ている。

トランスミッションはトルクコンバーター式の8速AT。トルセンデフを用いた四輪駆動、クワトロを採用し、すべてのタイヤへトルクが伝達される。

通常の状態では、前後のトルク配分は40:60だが、最大でフロントに75%、リアに85%を割り振ることが可能。トラクションの掛かり具合で、自動的に調整される。

さらにABSを用いたトルクコントロール・システムも搭載。グリップが足りないタイヤへブレーキを掛けスリップを抑えつつ、有効なタイヤへより多くのトルクを伝える機能だ。

SQ5スポーツバックでは、スポーツデフも装備できる。高速コーナーでは外側のタイヤへ多くのトルクを分配し、アンダーステアを軽減させつつ機敏性を高めてくれる。

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