内装は2代目から様変わり 新型 アウディQ5 TDI クワトロ(1) フルに近いマイルド 3代目の特徴は?

公開 : 2025.08.13 19:05

ハンサムな3代目Q5にディーゼルマイルドHV登場 トルクフルでスムーズ、サイレント  2代目から様変わりした内装 操作性が良いアンドロイド・ベースのMMI 燃費は振るわず UK編集部が試乗

実際はフルへ近いディーゼルマイルドHV

バッテリーEVは種類が増えても、内容は均質化しているように思える。だがマツダのように、それへ抗おうとするメーカーもある。アウディも同様らしく、売れ筋のファミリーSUV、新しい3代目Q5ではディーゼルエンジンが継投された。

環境規制へ対応すべく、マイルド・ハイブリッド(HV)というカタチで。2025年末には、プラグインHVも登場予定だ。ブランドで、EVの旗振り役となっているのはQ6 e-トロンな一方、エンジンで走るSUVを求める人も少なくない。

アウディQ5 TDI クワトロ(英国仕様)
アウディQ5 TDI クワトロ(英国仕様)

ディーゼルでHVと聞くと、新旧混合の技術のように思えるものの、実際はうまく機能する様子。そもそもアウディはマイルドと呼ぶが、実際はフルHVへ近い内容といえる。

エンジン側のスターター・ジェネレーター(ISG)に加えて、24psと23.4kg-mを発揮する駆動用モーターを、7速デュアルクラッチATに内蔵。トルクが太く、軽負荷時にはある程度の距離を軽油を燃やさず走れる。

過度な主張がなくハンサムなスタイリング

プラットフォームは、フォルクスワーゲン・グループのPPC。アウディらしくエンジンは縦置きされ、一部の市場では前輪駆動も選択できる。英国仕様の場合、クワトロ・ウルトラと呼ばれる湿式多板クラッチ式の四輪駆動が標準になる。

エンジンの搭載位置は前寄りで、BMW X3メルセデス・ベンツGLCなどより、車内空間を広く確保できたと同社は主張する。サスペンションは、一般的なダンパーとコイルのセットが標準。Sラインやエディション1では、硬めのスポーツサスが組まれる。

アウディQ5 TDI クワトロ(英国仕様)
アウディQ5 TDI クワトロ(英国仕様)

上位グレードでは、アダプティブ・エアサスも選択可能。英国では、1725ポンド(約34万円)のオプションだ。

スタイリングは、過度な主張がなくハンサム。ボディスタイルは、通常のワゴンタイプに加えて、クーペ風のスポーツバックもラインナップする。ディーゼルエンジンの場合、テールパイプが長方形の2本出しになる。SQ5では、楕円形の4本出しだ。

2代目から様変わりした内装 S5などと共有

インテリアは、2代目Q5から様変わり。ブラシ仕上げのアルミ製トリムは姿を消し、グロスブラックのパネルが大きな面積を占めている。ダッシュボード上には、2画面が連続したモニターパネルが載る。

内装の多くは、Q6 e-トロンやS5などと共有。同じセグメントのモデルとして、一貫性を醸し出したいという狙いがあるようだが、コスト削減の思惑もあるはず。質感は、先代以上とはいえないだろう。

アウディQ5 TDI クワトロ(英国仕様)
アウディQ5 TDI クワトロ(英国仕様)

運転姿勢は、サルーンへ近く好ましい。シートは座り心地が良く、身体をしっかり支え、調整域も広い。だが従来的な高級感を車内へ期待するユーザーは、マツダCX-60の方へ惹かれるかもしれない。レクサスNXの車内にも、似たテイストがある。

後席側の空間は、このクラスでは狭い側だろう。エアコンの送風口やUSBポートなどが備わるが、高身長の大人には少し窮屈かも。背もたれは60:40の分割で倒せ、リクライニングも可能だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    マレー・スカリオン

    Murray Scullion

    役職:デジタル編集者
    10年以上ジャーナリストとして活動し、雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿してきた。現在はオンライン版AUTOCARの編集者を務めている。オースチンやフェラーリなど、1万円から1億円まで多数のクルマをレビューしてきた。F1のスター選手へのインタビュー経験もある。これまで運転した中で最高のクルマは、学生時代に買った初代マツダMX-5(ロードスター)。巨大なジャガーXJ220も大好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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