【高価格でも】「大人のレゴ」の魅力と「ポルシェ911レゴ」商品化の背景

公開 : 2021.04.14 05:45  更新 : 2022.09.26 14:37

史上最高の完成度を誇る「ポルシェ911」登場

レゴではこれまでスポーツカーやSUVなど、人気車種をモチーフにした商品を多数世に送り出してきた。

変速機やステアリング装置など、最新の本格機能までもがレゴで作れる「レゴ・テクニック」シリーズにも魅力的な商品をラインナップしている。

レゴ・ポルシェ911
レゴ・ポルシェ911    レゴ・ジャパン

フェラーリ488 GTE AFコルセ#51(18歳以上1677ピース)、ブガッティ・シロン(16歳以上3599ピース)、ランボルギーニ・シアンFKP 37(18歳以上3696ピース)など。

実車の再現度も高く、仕上がりも美しい大人のレゴとして人気が高い。

そして3月1日には18歳以上を対象とした「ポルシェ911」が加わった。1セットでクーペタイプの「911ターボ」とオープンルーフの「911タルガ」を作成できるキットとなっており、ポルシェを象徴する「G2」世代のクラシックモデルを非常に高いレベルで再現している。

「911の曲線を最も美しく出せる」、「象徴的な5マイルバンパーをレゴで表現しやすい」という理由でG2モデルが選ばれたとのこと。

開発はコロナ禍の中、レゴ本社のあるデンマークとポルシェ本社のあるドイツをオンラインで結んで丹念な打ち合わせのもとおこなわれた。

ドイツ・シュツットガルトのポルシェミュージアムからは館長自らレゴ開発の専任担当者となり、6気筒の水平対向エンジンから、911を象徴する曲線、シートの色に至るまで忠実な監修がおこなわれている。

ターボ/タルガなぜ両方作れる仕様に?

今回発売されたポルシェ911。再現性の高さにも注目が集まっているが、1セットでターボとタルガの2種を作れることも多くのポルシェ・ファンを喜ばせている。

ちなみにレゴ社ではレゴデザイナーが月に1度、通常業務から離れて、クリエイティブな時間を過ごす日がある。人によっては絵を描いたり、アイスクリームを1から作ったり、それぞれにクリエイティブな時間を使う日だ。

ポルシェ911ターボ
ポルシェ911ターボ

そしてあるデザイナーがレゴブロックで911タルガを最初に作ったところ、周囲のデザイナーから「なにこれ! めちゃくちゃカッコいい!」と喝さいを浴びた。

一方で、同じデザインチームのメンバーからは、「ポルシェといえばやはりターボなんじゃないか?」との提案もあり……。

商品化をするにあたって、「タルガか? ターボか?」でアツい議論が繰り広げられたそうだ。

レゴ・グループのデザイン・マスターのマイク・プシアキ氏は以下のように明かしている。

「スポーツカーを所有することは、1度は味わいたい経験であり、この感覚をレゴ・ファンに与えたいと考えました。ポルシェ車を設計しているとき、車のバリエーションをターボとタルガのどちらにするかという決断が最も難しかったです」

「どちらか一方に決めかねた結果、ポルシェ911ターボとタルガを1つのセットから組み立てることができるように設計しました。これらの車に憧れを抱いている世界中の911ファンは、どちらも作ることができるこのセットを、間違いなく気に入ることでしょう」

レゴのクリエイティビティといえば、驚くことはまだまだある。ここまで再現度が高い仕様でありながらポルシェ911のための専用パーツはわずか3種だけなのだ。

つまり、ほとんどのパーツはレゴの汎用ピースでも作れてしまうということ。

手持ちのレゴを使って一部の色を変えてみたり、少しデザインを変えてみたり、カスタマイズまで楽しめてしまうのがレゴの凄いところだ。

完成までにはレゴに慣れた人で3~4時間。一般的には5~6時間で完成させることができるそうだ。プラモデルとは違って、何度も作っては崩し、また組み立てて少し違う仕様にするなど、1セットでターボか、タルガか? だけではなく、さまざまな楽しみ方ができるのも大きな魅力だ。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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