【とことん比較】新型ヴェゼル/ヤリス・クロス/キックス どんなユーザーにピッタリ?

公開 : 2021.04.24 05:45  更新 : 2021.10.22 10:12

荷室の大きさ/シートアレンジは?

荷室の奥行寸法は、キックスが十分に確保した。もともと荷物を積む機会の多い海外で販売することを考えて開発されたから、ボディはコンパクトでも荷室容量にこだわった。

そのためにキックスの後席は少し前寄りに配置され、全長とホイールベース(前輪と後輪の間隔)はヴェゼルと同等なのに、後席の足元空間は前述のとおり少し狭くなった。

ホンダ・ヴェゼル
ホンダヴェゼル

ヴェゼルも荷室は広い。リアゲートを大きく寝かせたから背の高い荷物は積みにくいが、床面積は十分に確保した。

またヴェゼルは先代型と共通のプラットフォームを使うので、フィットなどと同じく燃料タンクを前席の下に配置した。

後席を床面へ落とし込むようにコンパクトに格納できる。後席の座面を持ち上げて、背の高い荷物を車内の中央に積むことも可能だ。ヴェゼルでは多彩なシートアレンジも魅力になる。

ヤリス・クロスの荷室は、コンパクトカーに近い広さだ。リアゲートを寝かせたから背の高い荷物も積みにくいが、実用的にはさほど不満を生じない。

エンジン/ハイブリッドシステムは?

ヴェゼルのノーマルエンジンはベーシックなGグレードのみだ。主力はe:HEVになる。

1.5Lエンジンは主に発電機の作動に使われ、駆動はモーターが担当する。そのために運転感覚は電気自動車に近い。モーター駆動だから加速が滑らかで、アクセル操作に対する反応も機敏だ。

ホンダ・ヴェゼル
ホンダ・ヴェゼル    ホンダ

高速道路の巡航などでは、エンジンがホイールを直接駆動するモードもある。その方が効率が高まるからだ。

e:HEVのWLTCモード燃費は、前輪駆動の2WDが24.8km/L(e:HEV ZとPLaY)になる。ノーマルエンジンのGは17km/Lだ。

ヤリス・クロスは、1.5Lのノーマルエンジンと、THSIIによるハイブリッドを搭載する。

両タイプともにヤリスから採用が開始されたタイプで設計が新しい。とくにヤリス・クロスはWLTCモード燃費が優れている。

2WDの場合、ノーマルエンジンが18.8-20.2km/Lだ。ハイブリッドでは27.8-30.8km/Lに達する。ハイブリッドは、コンパクトSUVでは燃料消費量が最も少ない。

キックスはeパワーのみを搭載する。エンジンは発電機を作動させ、駆動はモーターが担当するからe:HEVに似ているが、システムはシンプルだ。

高速道路の巡航などでエンジンがホイールを直接駆動させる機能は採用されない。ブレーキペダルとの協調制御も備わらず、燃費効率でも差が生じた。WLTCモード燃費は21.6km/Lになる。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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