【価値ある体験を】ランボルギーニ日本法人 ダビデ・スフレコラ代表 拡大・成長を語る

公開 : 2021.05.06 18:45  更新 : 2021.10.11 09:16

今年、ランボルギーニ・ジャパンの新代表になったダビデ・スフレコラ氏。「ランボルギーニは単純な拡大・成長だけを追求しない」と、考えを語ってくださいました。

2ケタの成長から、足場固めへ

text:Hiromune Sano(佐野弘宗)

ーーこの2021年2月にランボルギーニ・ジャパンの新たな代表として、ヘッド・オブ・ジャパンに着任したダビデ・スフレコラ氏にインタビューする機会を得た。その場となったのは、東京・六本木にある「THE LOUNGE TOKYO」で、2020年10月にオープンした。それは、ランボルギーニのアンテナ施設ともいえる「THE LOUNGE」としては、米国ニューヨークに次ぐ世界で2つめだ。

「これはサンタガータ・ボロネーゼのランボルギーニ本社の、日本の市場とお客さまに対するコミットメントを示したいという強い意向があったからです」

ランボルギーニ・ジャパンのダビデ・スフレコラ新代表。
ランボルギーニ・ジャパンのダビデ・スフレコラ新代表。

「東京にはランボルギーニのカスタムオーダーシステム“アド・ペルソナム=Ad Personam”専用スタジオも設置されています。ラウンジとして世界で2番目ですが、アド・ペルソナム専用スタジオは現在、サンタガータ・ボロネーゼ本社以外では東京にしかありません」

ーーこれからの日本における販売戦略は?

「ランボルギーニは単純な拡大・成長だけを追求しません。お客さまに優れた商品とキメ細かいサービスを提供して、価値ある体験をしていただいた結果としてついてくるものが、拡大であり成長だと考えています」

「新型コロナという今の世界的な状況を見ても、今は単なる拡大を目指すべき時期ではないともいえます。ランボルギーニは現在を“コアコンフィデンス=信頼確立”の期間と位置づけて、今後2年間はクオリティの高いサービスを日本全国でしっかりと提供することで、顧客満足度を引き上げることを優先したいと考えています」

「おかげさまで、ウルスの登場によって、ここ数年は年ごとに2ケタの成長を続けることができましたが、今はあえていったん立ち止まって足場を固めたいと考えています。現在のグローバル市場ではウルスがランボルギーニ全体の半分以上(2020年のグローバル実績では、ブランド全体の販売は7430台、うちウルスが4391台で6割弱、残る3割がウラカン、1割がアヴェンタドール)を占めており、その比率は日本でも大きく変わりません」

「現在のスーパースポーツカーとSUVの販売比率は、もともとわれわれが望んでいた姿とほぼ一致しています」

「自動車業界は変革の時期」

ーーウルスでエントリーしてきた新しい顧客をどうケアしていく?

「わたし達は、ウルスのお客さまもウラカンのお客さまも、まったく区別しておりません。ランボルギーニが催すイベントにはすべてのお客さまを招待いたしますし、その他の体験も、乗られているモデルを問わずにすべて可能です」

ランボルギーニでは、これまでに東南アジアのエリアマネージャー(シンガポール・オフィス)を担当してきたスフレコラ氏。日本の慶応大学をはじめとした名門で学び、数々のラグジュアリーブランドで経験を積んできた。
ランボルギーニでは、これまでに東南アジアのエリアマネージャー(シンガポール・オフィス)を担当してきたスフレコラ氏。日本の慶応大学をはじめとした名門で学び、数々のラグジュアリーブランドで経験を積んできた。

「そもそもウルスは全高は高いですが、ウラカンやアヴェンタドールと同様のスーパースポーツです。スーパースポーツにお乗りのお客さまが、家族で出かけたいと思ったときに乗るクルマでもあります」

「ウルスのお客さまがランボルギーニとの絆を高めていただいて、将来的にウラカンやアヴェンタドールに乗られることもあるかもしれません。ただ、わたし達がやるべきことは、ウルスで新しくランボルギーニ・ファミリーに入っていただいたお客さまに満足していただくこと。そしていろいろなエクスペリエンスを通じて、エンゲージしていただくことです」

ーー昨年末に、ランボルギーニCEOとしてステファン・ヴィンケルマン氏が復帰しましたが……。

「新CEOへの引継ぎはとてもスムーズなものでした。ヴィンケルマンはランボルギーニのことを知り尽くしており、今のランボルギーニがあるのも、彼が以前CEOだった時代にしっかりと土台を作ってくれたからだともいえます。その意味でも、今回のCEO交代によって、ランボルギーニの方向性が変わることはないでしょう」

「ただ、ヴィンケルマンの個人的なキャラクターからして、あらゆることがすごいスピードで進んでいくと思います。現在の自動車業界は変革の時期ですので、ヴィンケルマンのCEO就任は間違いなく明るいニュースです」

記事に関わった人々

  • 佐野弘宗

    Hiromune Sano

    1968年生まれ。大学卒業後、ネコ・パブリッシング入社。カー・マガジン等で編集作業に携わるうちに3年遅れで入社してきた後藤比東至と運命的な出逢いを果たす。97年、2人でモンキープロダクションを設立するべく独立。現在はモータージャーナリストとして「週刊プレイボーイ」「AUTOCAR JAPAN」「○○のすべてシリーズ」他、多数の雑誌、ウェブ等で活躍中。

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