【激レアなポルシェたち】911フラットノーズから924カレラGTS、GT1ストラーセン 後編

公開 : 2021.05.22 17:45

FRの4気筒 924カレラGTSと968ターボS

後に登場したGTSでは248psへ、クラブスポーツでは279psにまで引き上げられている。1980年にポルシェでル・マンを戦ったレーシングドライバーのデレック・ベルとの契約報酬には、1台の公道用924カレラGTSも含まれていたという。

2020年、RMサザビーズでのオークションでは、924 カレラGTSが21万2750ドル(2318万円)で落札された。FRで4気筒の924も、軽視はできないのだ。

ポルシェ924 カレラGTS(1980年)
ポルシェ924 カレラGTS(1980年)

968のレーサー、ターボRSの公道用モデルとなる、968 ターボSも貴重だ。FRのポルシェの最後を飾ったモデルでもあり、しかもターボで加給されている。

比較的馴染みのある968クラブスポーツをベースに、直列4気筒自然吸気エンジンを944 ターボ用の8バルブ3.0L仕様へ変更。最高出力は309psを発揮した。見た目の特徴となるのが、ボンネットに開けられたNACAダクト。生産台数はわずか14台に限られた。

その少なさに比べると、911 GT1ストラーセンバージオン(ストリートバージョン)はもう少し数が多い。1998年のル・マン・レーサーのホモロゲーション獲得のために25台が作られた公道用モデル。レーサーの方は見事優勝している。

近年の水冷フラット6となった911の中では、2台が特に珍しい。電動パワーステアリングを採用した991型が登場する直前、997型カレラをベースとしたスポーツ・クラシックは、その純度でも強い輝きを放っている。

投資目的で価格高騰 991型911 GT3 RS

基本的には、407psのエンジンに後輪駆動、MT、アップグレードされたシャシーとブレーキを備える997型の911カレラS。ワイドなカレラ4のボディと、ダックテールのリアまわりが違いを主張する。

パステルグレーのボディとフックス社製のアルミホイールが相まって、1973年のカレラRS 2.7を彷彿とさせる姿だと思う。生産台数は250台。当時の英国価格は12万7529ポンドで、911ターボより高かった。

ポルシェ911 GT3 RS(991型/2016年)
ポルシェ911 GT3 RS(991型/2016年)

997型の後継、991型911の幕を閉じたのは、GT3 RS。よりモータースポーツにフォーカスされたものだった。4.0Lの自然吸気フラット6を搭載し、これ見よがしに派手なエアロボディを採用。MTが組み合わされた。

ニュルブルクリンクのラップタイムを削るより、一般道で楽しむために生み出されたRSだ。製造台数は991台。新車時の英国価格は13万6901ポンドだったが、投資目的のバイヤーにより価格は急騰。50万ポンドを超える金額で取引された時もあった。

ポルシェは加熱を防ぎつつ、さらに多くの台数を販売するため、GT3ツーリングも追加投入している。しかし、価格が下がることは期待しない方が良い。

激レアなポルシェは、いずれも高額。掘り出し物といえるモデルは今後も出てこないだろう。しかし資金さえ工面できるのなら、その選択肢は悩むほどに多いのだ。

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