「バットモービル」の圧倒的存在感 BMW 3.0 CSL/ポルシェ911 カレラRS 2.7(2) 現れたモータースポーツへの野心
公開 : 2026.07.12 17:50
レースでの勝利を目指し誕生した、軽量化仕様のBMW 3.0 CSLとポルシェ911 カレラRS 2.7。ホモロゲ取得のアプローチと運転体験は、見た目以上に異なります。UK編集部が珠玉の2台へ迫ります。
もくじ
ーカプリ RS3100へ刺激され誕生した3.0 CSL
ーモータースポーツへの野心が強く現れた第3世代
ー911 カレラRS 2.7を霞ませる存在感
ートルクフルでリニアに回るM30型ユニット
ー911 カレラRS 2.7の9割程度のペースで飛ばせる
ーBMWとポルシェ ホモロゲ仕様な2台のスペック
カプリ RS3100へ刺激され誕生した3.0 CSL
BMW 3.0 CSLでは、まったく体験が異なる。一度モータースポーツから距離をおいていた同社が、欧州ツーリングカー選手権で暴れまわるフォード・カプリ RS3100へ刺激を受け、副社長へ就任したばかりのボブ・ラッツ氏の肝いりで開発は進められた。
ホモロゲーション取得に選ばれたのは、ヴィルヘルム・ホフマイスター氏がスタイリングを担当し、カルマン社が製造を担っていた、クーペの3.0 CS。ドアやボンネット、トランクリッドへアルミを採用し、軽量を意味するLが末尾に追加された。

サイドウインドウはガラスの厚みを落とし、リアウインドウはアクリル製。バンパーはポリエステル製で、ホイールアーチはクロームメッキ・トリムで飾られた。防音材が省かれたキャビンには、シェール社製バケットシートが組まれている。
ツインキャブレターの2985cc SOHC直列6気筒、M30型エンジンは3.0 CS譲り。1971年の初期型はすべて左ハンドルで、169台がラインオフしている。
モータースポーツへの野心が強く現れた第3世代
筆者が感銘を受けた雑誌にあったのは、1972年8月に登場した第2世代。エンジンは3003ccへ拡大し、欧州ツーリングカー選手権の3.0Lクラスへの参戦を叶え、カプリ RS3100と同じステージで競うことが可能になった。
燃料供給はインジェクション化され、202ps/5500rpmと27.6kg-m/4300rpmへ向上。英国では特に好評で、500台の3.0 CSLが導入されている。その殆どは、スチール製バンパーと豪華装備が与えられた、シティパッケージだった。

そして、モータースポーツへの野心が強く現れたのが、第3世代。通称バットモービルだ。M30型ユニットは3153ccへ拡張され、208psと29.6kg-mへ強化されている。
ボディはアグレッシブさを強め、トランクリッド上にはワイドなウイングが鎮座。ルーフ後端には、細いCピラーへ載ったスポイラーが突き出し、フロントにはロングスカートが与えられた。ボンネットの両脇には、気流を整えるラバー製フィンが備わる。
911 カレラRS 2.7を霞ませる存在感
これらの改良は、サーキットでの戦闘力を確実に高めた。1973年7月のニュルブルクリンク6時間レースでは、1周10秒もタイムを短縮し、1位から3位を奪い表彰台を独占。1975年から1979年の欧州ツーリングカー選手権などでも、好成績を残している。
今回の車両は、BMW UKのヘリテージ・コレクションが所蔵する1台。CSLは1265台がラインオフしているが、167台しか作られなかった公道仕様のバットモービルにある。実は、ボディキットは型式認証を受けず、ディーラーオプションとして提供された。

エレガントな3.0 CSの容姿を、ボディキットが濁すように受け止める人もいるだろう。だが、ボディサイドを飾るトリコロールのストライプと、14インチのアルピナ・ホイールが相乗し、存在感は圧倒的。ポルシェ911 カレラRS 2.7を、霞ませるほど。
画像 ホモロゲ仕様なBMW 3.0 CSLとポルシェ911 カレラRS 2.7 現行M4 CSLと911 GT3 RSに 全125枚































































































































