【トライデントの完全復活】マセラティMC20へ試乗 自社開発の3.0L V6 630ps 後編

公開 : 2021.05.22 19:05

スーパーカー・クラスへの復帰を果たしたマセラティ。自社開発のV6ビトゥルボにカーボン製シャシーを備え、高性能と扱いやすさを両立させたようです。

もくじ

最高出力630ps、最大トルク74.2kg-m
少し穏やかな状態が最高の体験
サスペンションもステアリングも抜群
今後のトライデントに強い期待を抱かせる
マセラティMC20(欧州仕様)のスペック

最高出力630ps、最大トルク74.2kg-m

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
マセラティらしく、MC20の3.0L V6ツインターボ・エンジンはパワフル。1L当たり210psという高出力型で、最高出力は630ps/7500rpmを実現した。最大トルクは74.2kg-m/3000-5500rpmがうたわれる。

トランスミッションは、トレメク社製の8速デュアルクラッチAT。最新のシボレー・コルベットと同じユニットとなり、ステアリングホイールにシフトパドルが備わる。リミテッドスリップ・デフも装備する。

マセラティMC20(欧州仕様)
マセラティMC20(欧州仕様)

ドライビングモードの設定は、GTとスポーツ、コルサ、ウェットの4段階。ロータリー・コントローラーですぐに切り替えられる。

MC20のエンジンは、偽りなく特別。GTモードを選び4000rpm以下で運転していても、充足感は半端ない。トルクが極めて太く、フレキシブルなクルージングを楽しめる。それでいて、スポーツ・モードを選べば8000rpm目掛けて痛快に吹け上がる。

高度な点火システムが、優れた応答性と柔軟性を生んでいる。ドライバーが求めれば、強大な瞬発力も引き出せる。低いギアを選べば、弾けるような中間加速と、爽快な高回転域での味わいを引き出せる。

パワーデリバリーはリニア。回せば回すほど、見返りが得られる。最高の内燃エンジンの1基に選べそうだ。

1つ引っかかったのが、トランスミッション。シフトアップは、ハーフスロットルでもフルスロットルでも見事。だがシフトダウン時は滑らかさが足りず、ATモードでは不自然な場面があるようだ。注意していれば感じる、という程度だが。

少し穏やかな状態が最高の体験

筆者としては、サウンドはもう少し興奮度を追加したい。合成音なしで、聴き応えのあるリアルな音響を実現している。しかし、MC20のほかのスリリングさには並んでいないと思う。

素晴らしい走りを披露するだけに、刺激的なアフターファイヤーなど、もっと心も震える聴覚体験が欲しくなってしまう。スポーツ・モードのエグゾーストノートはメロディアスだが、さらに調整することもできたのではないだろうか。

マセラティMC20(欧州仕様)
マセラティMC20(欧州仕様)

ターボチャージャーの響きと、ウェイストゲートのホイッスルは気持ちいい。もう1段階、濃い個性があればと思う。

直線パフォーマンスは、間違いなくトップクラス。後輪駆動のロードカーでありながら、0-100km/h加速は3秒を切る。ローンチ・コントロールを用いたスタートダッシュは極めて鋭い。

トラクションも圧倒的で、160km/hを超える速度域まであっという間。マセラティによれば、0-200km/h加速も9秒以内でこなすという。最高速度は326km/h。MC12より3km/hだけ低い。

MC20は息を呑むほど速いが、少し穏やかな状態が最高の体験を与えてくれる。太いトルクを活かし、高めのギアで中回転域を扱える。GTモードで遅い車列に追いついたら、シフトダウンし、素早くアクセルペダルを踏み込むだけで追い越しは完了だ。

マセラティは、サーキットでの走行会だけでなく、日常的な運転にも対応できるモデルとしてMC20を開発したと主張する。確かに、乗り心地はその考えを反映しているようだ。モデナの舗装が荒れた田舎道で、実感することができた。

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