【Eクラスとの良いライバル関係】BMW 5シリーズ・ツーリング 530dへ試乗 小変更

公開 : 2021.05.17 08:25

フェイスリフトを受けた最新BMW 5シリーズのツーリングへ英国編集部が試乗。優れた能力を評価しつつ、Eクラスの総合力も無視できないようです。

マイルド・ハイブリッドになった530d

text:AUTOCAR
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

  
ドイツ製ステーションワゴンとして、常にライバル関係にあるBMW 5シリーズメルセデス・ベンツEクラス。ステーションワゴンの荷室容量では、常にEクラスの方が勝っていた。

フェイスリフト後の5シリーズでも同様。メルセデス・ベンツの荷室の方が、シートアレンジで変化するものの、依然として80Lから120Lほど広い。

BMW 530d xドライブ Mスポーツ・ツーリング(英国仕様)
BMW 530d xドライブ Mスポーツ・ツーリング(英国仕様)

しかし、荷室容量以外の部分に目を向ければ、BMW 5シリーズの方が優勢な場合も多い。Eクラスとは、お互いに高め合ってきた間柄にある。

今回試乗した5シリーズは、リフレッシュされたツーリングの530d。直列6気筒ディーゼルを搭載し、286psの最高出力と66.1kg-mの最大トルクを獲得している。0-100km/h加速の時間は5.6秒。同等グレードのEクラスより、わずかに速い。

520dに続いて、530dも電圧48Vで可動するスターター・ジェネレーター(ISG)を採用し、マイルド・ハイブリッドになっている。惰性走行時にはエンジンを休止させ、燃費向上も叶えている。さらにISGは、最大で11psのパワーをアシストできる。

モデル中期のフェイスリフトで、5シリーズの見た目は迫力を増した。キドニーグリルは縦横ともに大きくなり、ヘッドライトの眼力も増している。リアのテールライトはデザインが新しくなり、マフラーカッターは台形のものに改められた。

ドライバー重視のドライビング体験

5シリーズのMスポーツには、新デザインのアルミホイールも追加されている。英国でも人気の定番グレードだ。

ちなみに、ボディトリムがブラックで統一されるシャドウラインを選ぶ場合、ボディ色はホワイト以外が良いだろう。黒く塗られた大きいフロントグリルが、不必要に目立ってしまう。

BMW 530d xドライブ Mスポーツ・ツーリング(英国仕様)
BMW 530d xドライブ Mスポーツ・ツーリング(英国仕様)

インテリアでわかりやすい変化は、インフォテインメント・システム用のモニターが12.3インチへ大きくなったこと。コネクティビティ機能も強化され、無線通信でOSのアップデートも可能になった。

5シリーズを実際に運転すると、期待通りドライバー重視のドライビング体験であることが見えてくる。Eクラスよりステアリングホイールの操舵感はやや重く、フィーリングも濃い。シャシーの反応もシャープよりだ。

直列6気筒ターボエンジンは充分にエネルギッシュ。ディーゼルらしく、アクセルペダルを踏んだ瞬間から豊かなトルクが湧き出てくる。Eクラスのディーゼルほどノイズは静かではないものの、非常に滑らかに回転する。

一方でドライバー・フォーカスの体験は、快適性を若干犠牲にして成り立っているようでもある。高速道路の速度域では気にならなくなるものの、市街地などの低めの速度域では、車内へ絶え間なく細かな振動が伝わってくる。

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