【上品で見返りの多いSUV】レクサスRX 450h Lへ英国試乗 7シーターのハイブリッド 後編

公開 : 2021.06.06 19:05

英国では3.5L V6ハイブリッドのみの提供となる、静かで快適なレクサスRX。7シーターとなるLを、英国編集部が評価しました。

市街地と相性の良いハイブリッド

text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
英国ではハイブリッド一択となるレクサスRXだが、パワートレインは市街地との相性が良い。アクセルペダルを踏む量は、半分くらいまでがオススメ。特に急いでいない限り、都市部のような軽負荷では、とても静かで快適に運転できる。

今回の試乗で得られた燃費は、12.4km/L程度。このクラスの7シーターSUVとしては、妥当な数字だろう。

レクサスRX 450h L(英国仕様)
レクサスRX 450h L(英国仕様)

ペースを速めていっても、反応は良く充分に力強い。従来までのCVTが生んでいた、ラバーバンド感もだいぶ息を潜めている。これまでのトヨタレクサスのハイブリッドは、馬力いっぱいまで使った走りを想定していないように思えたが、RXは違う。

それでも、とっさの急加速を求めるような場合では、エンジンの回転数は自ずと高くなる。3.5LのV6エンジンを5500rpm付近まで回転させると、聴覚的な洗練度に陰りが出てきてしまう。

アクセルペダルを深く踏み込むと、RXのエンジンは、まるでボートの船外機のように感じられてくる。効果的に大きなSUVを進ませるものの、特徴が少し薄く、ボディとは分離されたような印象を筆者は受けたためだ。

鋭い加速を求めると、前輪駆動モデルのような質感も顔を出す。特に路面の滑らかさに欠けるコーナーを飛ばすと、ステアリングが乱れ、フロントタイヤが引っ張っるような感覚がある。

扱いやすい操縦性に悪くない乗り心地

レクサスRXの操縦性は、5mあるボディの大きさや2.2tある重さを考えれば、決して悪くはない。むしろかなり良い方だ。ステアリングホイールの重み付けや舵角の反応はちょうど良く、正確で自然なフィーリングがあり扱いやすい。

特にコーナリングで興奮するようなことはない。だが軽めのステアリングも手伝って、タイトコーナーでも狙い通りにRXを進めていける。回頭性も良く、必要なら内側へラインを絞っていくことも可能だ。

レクサスRX 450h L(英国仕様)
レクサスRX 450h L(英国仕様)

姿勢制御も悪くはないが、英国ではサスペンションは少し柔らかく感じられる場面の方が多いだろう。常にコーナリングを万全に支えてくれるわけではない。同時に、常に快適ともいえない。

舗装が古くなった区間を除いて、乗り心地は全般的に良好。国道や郊外の速度域では、路面と息を合わせるように滑らかにいなしてくれる。高速道路の速度域では、路面の乱れと同時にボディの上下動が目立ってくる。乗員にも、優しい振動が伝わってきてしまう。

一般道の細かな入力はよく吸収し、受け流してくれる。だが橋桁を通過したり、ツギハギの多い区間ではだらしなさも隠せなくなる。スポーツ・モードを選んでいなくても。

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