家族4名+荷物満載でも余裕綽々 レクサスRX 長期テスト(3) 高級車へ求めるもう少しの多様性

公開 : 2025.07.17 19:05

初代は世界初の高級クロスオーバーだと主張されるRX プラグインHV登場で欧州でも支持率上昇の5代目 日常性と快適性、高効率のバランスは? フラッグシップとしての実力を長期テストで探る

積算5959km 高級車へ求めるもう少しの多様性

レクサスというプレミアムブランドが、トヨタから誕生したのは1989年。それ以来、高級車への要求は進化・変化を続けている。

日本でトヨタ・セルシオと呼ばれた初代LS400は、快適性と洗練性で他ブランドの競合を凌駕していた。上級役員を運ぶサルーンとして、運転の楽しさは追求されていなかった。ところが実際に乗ってみれば、素晴らしい走りも叶えていることが明らかになった。

レクサスRX 450h+ Fスポーツ・デザイン(英国仕様)
レクサスRX 450h+ Fスポーツ・デザイン(英国仕様)

現在の我々は、その頃よりもう少しの多様性を、高級車へ求めているように思う。高速道路で役員会議へ快適に向かえるだけでなく、学校の送り迎えや週末の買い物、ペットとの小旅行などにも適応するモデルを。SUVが人気を集めているのは、そのためだろう。

過去にないほど望ましい実用的な相棒

レクサスRXは、まさにそんな要望へ応える。ボディは確かに大きいが、実用性は素晴らしい。荷室は、大型犬が快適に過ごせるほど広い。テールゲート横のボタン1つで後席を倒せば、ベッドのマットレスも載せられる。座れる状態へ戻すのは、手動だが。

荷室の空間自体も、きれいな直方体。461Lという数字以上に勝手は良い。先日は、友人の引っ越しにも活躍した。

レクサスRX 450h+ Fスポーツ・デザイン(英国仕様)
レクサスRX 450h+ Fスポーツ・デザイン(英国仕様)

不満はある。後席の背もたれを傾けないと、トノカバーとの間に隙間ができてしまうことが1つ。買い物の荷物が丸見えになり、安全性に不安が残る。テールゲートのロックボタンが反応せず、警告音が鳴ることも稀にある。

それでも、娘を大学へ送り届けるため高速道路を走ることが多い筆者にとって、RXは過去にないほど望ましい相棒になっている。沢山の荷物を運ぶ必要がある、学期末は特に。家族全員を座らせても、娘の私物たちを余裕で積める。

現代のプレミアムモデルとして理想的

シートは素晴らしく快適。4気筒エンジンに高い負荷をかけない限り、パワートレインは洗練されている。ボディサイズを考えれば、驚くほど燃費も良い。プラグイン・ハイブリッド(HV)だが、充電するのを忘れていても、問題なく活発に走れる。

家族4名と沢山の荷物でも、動力性能は余裕綽々。長距離を安楽に走りきれる。現代のプレミアムモデルとして、理想的な仕上がりだといっていい。

レクサスRX 450h+ Fスポーツ・デザイン(英国仕様)
レクサスRX 450h+ Fスポーツ・デザイン(英国仕様)

ただし、それを操るドライバーの洗練度も、もう少し高めた方が良いかもしれない。オックスフォードの市街地へ、環境負荷の高いクルマが入れないことは知っていた。だが、ローエミッションではなく、ゼロエミッションだとは知らなかった。

本当なら、2ポンド(約400円)の環境税で済むはずだったのに、罰金で数倍にも膨れ上がってしまった。教訓として、自分をアップデートするしかない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アラステア・クレメンツ

    Alastair Clements

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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