【ジープ/フィアットで攻めの経営】ステランティス日本法人代表 販売台数2倍にした凄腕とは?

公開 : 2021.07.06 05:45  更新 : 2021.10.09 23:41

グループPSAとFCAの統合で誕生したステランティス。その日本法人のトップのポンタス・ヘグストロム氏を紹介します。

新生ステランティスの日本の代表

text:Kenichi Suzuki(鈴木ケンイチ)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

グループPSAとFCAの統合により、日本にある2つの子会社も将来的に統合が予定されている。

その統合への第1歩として、2021年7月1日よりポンタス・ヘグストロム氏が、グループPSAジャパンとFCAジャパンという2社の代表取締役を兼任することが発表されている。

ジープの代表モデル「ラングラー」
ジープの代表モデル「ラングラー

日本におけるステランティスの代表となるわけだ。

その、ポンタス・ヘグストロム氏は、珍しい名称でもわかるようにスウェーデン出身だ。

サーブボルボ、GMなど、ほぼ30年にわたって自動車産業に携わっており、日本においても20年以上のマネジメント歴を有する。

2008年にフィアットオートモーティブジャパン株式会社の代表取締役社長に就任し、2012年のFCAジャパン設立と同時に同社の代表となっている。

現在の輸入自動車メーカーのCEOとしては、ヘグストロム氏の20年以上の経歴は最長となる。ちなみに氏の海外勤務経験は日本を含む8か国にもなるという。

フィアット/ジープの販売2倍以上に

そんなヘグストロム氏の日本における業績を振り返ると、その数字には驚くべきものがある。

まず、2008年に人気モデルとなるフィアット500を日本に導入。翌2009年にはアバルト・ブランドも日本へ導入した。

フィアット500とジープ・ラングラー
フィアット500とジープ・ラングラー    FCAジャパン

これにより、フィアットの販売台数は飛躍的に伸びたのだ。2000年代のフィアットの年間販売台数は、ほぼ1500~2000台で推移していた。

しかし、2008年は3381台、2009年は4345台とし、その後は5000~7000台へとなっているのだ。

フィアット500という人気モデルの登場という幸運はあったが、それでもヘグストロム氏の就任以降、フィアットの販売は2倍以上となったのだ。

さらに販売成績を伸ばしたのがジープだ。

ジープがFCAの傘下になる以前の2011年の年間販売台数は3145台。輸入車ブランドとしては13位であった。

これでも、年間2000台前半で推移していた2000年代よりも、上向きになった数字だ。

それがFCAとなってからは毎年のように数字を伸ばし、2020年には1万3588台、ランキング9位という記録を残した。

コロナ禍という逆風の中でも、前年の2019年(1万3360台)を上回ったのは驚くばかり。また、2011年から約10年をかけて4倍以上にも販売台数を伸ばしていることは特筆すべき成長といえるだろう。

記事に関わった人々

  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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