実力の高さで戦えるホットなi20

サスペンションは硬く、ステアリングもダイレクト。ヒュンダイは路面変化で進路が乱されがちだから、ドライバーは集中を保たなければならない。しかし、それが面白い。一昔前のホットハッチのように。

コーナーを曲がるたびに、ドライバーは充足感が得られる。高速道路を快適に走れることには、焦点が向けられていない。

複数用意されるシャシーやパワートレインのモード設定だが、英国の一般道では少し柔らかめが丁度いいようだ。特にアクセルとステアリングのレスポンスは、ノーマルの方がよりバランスの取れた、自然な印象が得られる。

コーナーへの侵入も、鋭く食らいつくというより、ドライバーが押し込んでいくような感覚になり、操舵しやすい。筆者の年齢もあるとは思うが、少しリラックスしたくらいの方が、好みに思えた。

ぜひ一度、ヒュンダイi20 Nに試乗してみて欲しい。成長を続けるヒュンダイは、マーケティングや手頃な価格に頼らずとも戦える実力を備えた、ホットなi20を完成させた。

高いエンジニアリング力と、会社の目指すところを明確に感じ取れる個性が与えられている。筆者がこれまでに試乗してきたホットハッチの中でも、最も走りにフォーカスされた1台だといえる。

見事にピュアなホットハッチを仕上げてきたヒュンダイ。これからのNにも、強く期待できそうだ。

ヒュンダイi20 N（英国仕様）のスペック

英国価格：2万4995ポンド（384万円）
全長：4040mm（標準i20）
全幅：1750mm（標準i20）
全高：1450mm（標準i20）
最高速度：228km/h
0-100km/h加速：6.2秒
燃費：−
CO2排出量：−
車両重量：1190kg
パワートレイン：直列4気筒1598ccターボチャージャー
使用燃料：ガソリン
最高出力：203ps/5500-6000rpm
最大トルク：28.0kg-m/1750-4500rpm
ギアボックス：6速マニュアル

画像　実力高し　ヒュンダイi20 N　競合のBセグ・ホットハッチと比較　全183枚