【話題】五輪 過酷な自転車競技に特殊カローラ・ツーリング 「かっこいい」の声

公開 : 2021.07.27 11:40  更新 : 2022.03.25 18:49

東京オリンピック2020自転車競技・ロードレースでトヨタ・カローラ・ツーリングが走行。SNSなどで話題に。

234(男子)/137(女子)km 過酷なレース

text:Kumiko Kato(加藤久美子)
photo:Hiroto Kato(加藤博人)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

東京オリンピック2020自転車競技「ロードレース」は、東京・武蔵野森公園(調布市)をスタートして、富士スピードウェイをゴールとしている。

静岡県公式サイトの説明では、男子のレース距離は約234km、獲得標高は約4865m、最高到達点約1451m(静岡県裾野市須山)。女子のレース距離は約137km、獲得標高は約2692m、最高到達点約1121m(山梨県南都留郡山中湖村)と公表されている。※獲得標高とは累積標高差のことでスタートからゴールまでの上った高さの総計のこと。

青いカローラ・ツーリングは「Neutral Service」(ニュートラル・サービス)と呼ばれるもの。ニュートラル=中立の立場でサポートをおこなう。
青いカローラ・ツーリングは「Neutral Service」(ニュートラル・サービス)と呼ばれるもの。ニュートラル=中立の立場でサポートをおこなう。    加藤博人

五輪自転車競技として史上最高に過酷なコースと評されるレースに、特別チューニングが施された「カローラ・ツーリング」が投入されているのをご存知だろうか?

各国のサポートカーとして、また国やチームに関係なく中立な「ニュートラルサポート」をおこなう車両としても大活躍しているのだ。

24日の男子ロードレースは、カローラ・ツーリングの雄姿が動画や写真でSNSに多数アップされている。

クルマ好きの間では「デザインがカッコいい!」「めちゃコーナー攻めてる!」などなど、自転車以上の? 盛り上がりになっている。

なお、25日女子のロードレースでは、強豪国として知られるオランダチームが他国チームにカローラ同士で追突する事故も発生してしまったが、バンパーがへこんだ程度でクルマの傷を確認したあとに即座にサポートに復帰した模様。

ロードレースに合わせて各国のサポートカーが集団になってかなり接近して追走する形をとるため、このような事故が起こるのも致し方ないかもしれない。

後ろに控える青いニュートラルサポート

ワクチン接種済みの筆者は25日、自転車ロードレースをサポートするカローラ・ツーリングの雄姿を撮影すべく東京都稲城市のコース沿線に出かけてみた。

競技の先頭を走る白バイや警察車両が過ぎたあと、メディア車両が数台通過し、自転車が集団で登場。スタートから10kmはパレードランとなり、筆者が見学したのはそのパレードランが終わって競技が開始されて間もないエリア。まだほとんど大きな差はついていない。

最初に姿を見せたのは「コントロールカー」であるオフィシャルのカローラ・ツーリング。
最初に姿を見せたのは「コントロールカー」であるオフィシャルのカローラ・ツーリング。    加藤博人

そして自転車集団のすぐあとをカローラ・ツーリングが走って来た。最初に姿を見せたのは「コントロールカー」であるオフィシャルのカローラ・ツーリング。

その後ろから青いカローラ・ツーリングが2台走って来た。鮮やかなブルーが印象的だ。

この青いカローラ・ツーリングは「Neutral Service」(ニュートラル・サービス)と呼ばれるもので、特定の国やチームを対象にしたサポートではなく、ニュートラル=中立の立場でサポートをおこなう。

オフィシャルのあとについてレース中に発生する選手の機材トラブルなどに対応し、ルーフに搭載した代替機材を提供してレースを続行させる役目を担っている。(チームのサポートカーが離れた場所にいる場合やサポートカーを持たないチームをサポートする目的もある)

ルーフキャリアに載っている代替機材の自転車には「SHIMANO」の文字。シマノはスポーツ自転車部品の世界最大手企業で1921年に島野鐵工所として創業いらい、今年でちょうど100周年となる。釣り具ブランドとしてもおなじみだ。

シマノはツール・ド・フランスを含む、欧州で開催される400以上の自転車レース競技をサポートしており、東京2020でもシマノカラーの青いニュートラルサポートカーが大活躍しているのだ。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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