【3代目へモデルチェンジ】プジョー308 ハイブリッド180へ試乗 総合179psのPHEV 

公開 : 2021.09.17 08:25

シャープなルックスに最先端のPHEVを搭載し、モデルチェンジを果たしたプジョー308。家族向けハッチバックとして、英国編集部は総合力の高さを評価します。

カッコ良いプジョーのハッチバック

執筆:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
2代目プジョー308が発売されたのは2013年。大胆なデザインで、プジョーの新世代をリードする存在だった。だが競争が激しい家族向けハッチバックとして、近年は旧式感を隠せないでいた。

2代目308の仕上がりは悪くなかった。しかし、このクラスにはデフォルトとして選択肢の最上位に入る、有力モデルが2台存在する。ご存知のとおり、フォルクスワーゲン・ゴルフフォード・フォーカスだ。

プジョー308 ハイブリッド180 アリュール・プレミアムE-EAT8(欧州仕様)
プジョー308 ハイブリッド180 アリュール・プレミアムE-EAT8(欧州仕様)

2代目308は、光の当たる存在とはいえなかった。しかしPSAグループは、シトロエンとプジョーとの差別化に注力。プジョーとして、まったく新しいデザイン展開をスタートさせた。その先頭に立ったのが、クロスオーバーの3008といえる。

3代目308は、そのデザインをさらに進化。プジョーがテクスチャードと呼ぶ、細かなグラフィック処理が施されたフロントグリルや、ライオンクローと呼ぶLEDデイライトなどは、いかにも最新のプジョー車らしい。

レトロ感のある新しいプジョー・ロゴも、初めて量産車として採用された。ステランティスが目指す、「独創的で上級なジェネラリスト・ブランド」を象徴するマークとなる。だがこれは、グループ内でのマーケティング意向が強い気がする。

とはいえ、308への意気込みは大きい。実際、プジョーのハッチバックが、これほどカッコ良く感じられるのは久しぶり。これより以前は、と歴代モデルを振り返ってみると、306の時代にたどり着くのは筆者だけではないだろう。

PHEVに加え、2023年には純EV版も

見た目だけでなく、その内側も大きく進化している。ただし、プラットフォームは2代目308が採用していたEMP2。その最新バージョンで、クロスオーバーの3008とも共有する。他にも、ステランティス内のモデルに多く採用されている。

EMP2はハイブリッドを含む、幅広い内燃エンジンに対応する。308には、1.2Lのガソリンターボと1.5Lのディーゼルターボ、2種類のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)が当初搭載される。

プジョー308 ハイブリッド180 アリュール・プレミアムE-EAT8(欧州仕様)
プジョー308 ハイブリッド180 アリュール・プレミアムE-EAT8(欧州仕様)

一般的なハイブリッドも追加される見込みで、2023年には純EV版も投入予定。こちらの308は、EMP2の後継版となる、純EVに特化したSTLAミディアム・プラットフォームを採用することになるだろう。

PHEVの最高出力には2段階が用意されるが、エンジンはどちらも1.6Lのガソリンターボ。チューニング違いで、179psと224psを発揮する。駆動用モーターは110ps、駆動用バッテリーは12.4kWhが共通で組み合わされる。

バッテリーが満充電なら、最長54kmを電気モーターだけで走行可能。試乗車はハイブリッド180と呼ばれる最高出力が低い方で、CO2の排出量は25g/kmがうたわれる。

インテリアを覗いて、真っ先に気がつくのは最新版のiコクピット。小さめのステアリングホイールが低い位置にレイアウトされる、プジョー独自のデザインだ。

しばしば物議を醸す運転環境ではあるが、実際に押せるハードボタンも多く残されている。タッチモニターやタッチセンサーで溢れる新しいフォルクスワーゲン・ゴルフより、クルマに乗り慣れてきた人には親しみやすく感じられると思う。

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