【ぜんぶ分かる?】フォード傘下のブランド 24選 買収と売却、設立と閉鎖の歴史

公開 : 2021.10.03 06:05  更新 : 2021.10.03 07:13

米国が誇る自動車メーカー、フォード。これまで数多くのブランドを運営してきましたが、その一部を紹介します。

ブルーオーバルの拡大と縮小

1903年の創業以来、フォードは世界中でカーライフを提供してきた。北米以外の愛好家は、フォードが米国に本社を置いていることを知らない(かもしれない)ほどだ。

フォードは、他メーカーを買収したり、世界中に子会社や合弁会社を設立したりして、成功を収めてきた。ライバルであるゼネラル・モーターズも、膨大な数のブランドを運営していることで有名だが、これから紹介するように、フォードは「ブルーオーバル」がすべてではない。

フォードのエンブレムは青い楕円形をしていることから「ブルーオーバル」と呼ばれる。
フォードのエンブレムは青い楕円形をしていることから「ブルーオーバル」と呼ばれる。

この記事では24の例を挙げているが、これだけでは完全には語れない。ヒュンダイやマツダのように、フォードが関与していても出資比率が50%未満の企業は含まれていない。

フォード・モーター・カンパニー

創業者ヘンリー・フォード(1863~1947)の名を冠したフォード・モーター・カンパニーは、1903年6月16日に設立され、同年に「モデルA」を発表した。

その5年後には、大ヒット商品となった「モデルT(T型フォード)」を発売した。以来、フォードはハッチバックからスーパーカーまで、考えられるほぼすべてのタイプのクルマを製造・販売してきた。

フォード・フュージョン
フォード・フュージョン

セダンも数多く存在したが、他メーカー同様にこのクラスを諦め、2020年に最後のフュージョン(写真)を製造した。

リンカーン

リンカーンは現在、フォードが北米で展開する唯一の独立ブランドだ。1917年にヘンリー・リーランド(1843~1932)が高級車メーカーとして設立したもので、彼はキャデラックも作っていた。

1922年にフォードがリンカーンを買収し、現在に至る。現在のラインナップは、クロスオーバーが3台とフルサイズの高級SUV、ナビゲーター(写真)がある。

リンカーン・ナビゲーター
リンカーン・ナビゲーター

マーキュリー

フォードはリンカーンを買収したものの、初期のゼネラル・モーターズほどには他メーカーを買収することはなかった。むしろ、独自の新ブランドを立ち上げることが多かった。マーキュリーは、第二次世界大戦が始まる直前に誕生した、非常に古いブランドである。

当初はフォードより上位、リンカーンの下位というミドルポジションに立っていたが、後にクーガーやボブキャットなど、フォード由来のモデルを多数生産した。2010年に閉鎖が発表された。

マーキュリー・ヴィレジャー(1957年)
マーキュリー・ヴィレジャー(1957年)

エドセル

フォードが廃止した米国ブランドの中で、最も短命だったのが、1958年から1960年までしか製造していなかったエドセルだ。

ヘンリー・フォードの一人息子エドセル・フォード(1893~1943年)にちなんで名付けられたエドセルは、主にGM傘下のポンティアックに対抗する低中価格帯のブランドであった。いくばくかのモデルを生産したが、当初はスタイリングに批判が集まり、すぐにトーンダウンした。

エドセル・コルセア(1959年)
エドセル・コルセア(1959年)

生まれたタイミングも最悪だった。エドセルが立ち上げられたのは、自動車販売台数が前年比31%減という深刻な不況の最中だった。フォードはこのプロジェクトに現在の貨幣価値で約20億ドル(約2200億円)を費やしたと言われているが、結果的に失敗の烙印を押されてしまった。

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