【シリーズ3を解き放つ】EタイプUK アンリーシュドへ試乗 V12は6.1Lへ 後編

公開 : 2021.10.19 19:05

刺激的で、楽しさと魅力に溢れる

頭の後ろで響く風切り音が小さくないが、それを気にしなければ、スムーズなステアリングと高バランスの乗り心地を謳歌できる。ジャガーEタイプ・シリーズ3を現代的に楽しめる。

特筆すべきはエンジンだ。低回転域では、惚れ惚れするように滑らかに回る。そこから6500rpmのレブリミットめがけてムチを入れれば、ル・マン・マシンやグループ44のレーシングカーでも聞こえなかった轟音が放たれ、思わず陶酔してしまう。

EタイプUK アンリーシュド(英国仕様)
EタイプUK アンリーシュド(英国仕様)

アクセルオフでのアフターファイヤーで、ゴロゴロと雷鳴のような威嚇も楽しめる。実際の加速力にも不足ない。長いシフトレバーを巧みに操れば、0-97km/h加速は約5秒でこなせるという。速すぎることはないから、胸が高鳴る範囲で堪能できる。

ロータリー交差点手前で2速に落とし、旋回し、3速に入れて颯爽と加速する。英国郊外の制限速度、97km/hまで到達したら5速に入れて、田園風景を楽しみながらリラックスしたクルージングに浸る。幸せな時間だ。

素晴らしく刺激的で、楽しさと魅力に溢れたアンリーシュド。オリジナルの味わいをしっかり残している点も素晴らしい。解き放たれたという意味を持つ車名が、仕上がりを良く表している。

別のクルマへ生まれ変わらせるのではなく、ジャガーEタイプ・シリーズ3の能力を完全に解放している。絶妙のバランスだと思う。

EタイプUK アンリーシュド(英国仕様)のスペック

英国価格:50万ポンド(7600万円/概算)
全長:4685mm(ジャガーEタイプ・シリーズ3)
全幅:1679mm(ジャガーEタイプ・シリーズ3)
全高:1219mm(ジャガーEタイプ・シリーズ3)
最高速度:241km/h(予想)
0-100km/h加速:5.0秒(予想)
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:1500kg(予想)
パワートレイン:V型12気筒6100cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:405ps
最大トルク:43.4kg-m
ギアボックス:5速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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